Project/Area Number |
06640842
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
植物生理
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高橋 裕一郎 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (50183447)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 光合成 / 葉緑体遺伝子工学 / psaC遺伝子 / 光化学系1反応中心 / 緑藻クラミドモナス / 葉緑体形質転換 / パーティクル・ガン / 光化学反応 |
Research Abstract |
系1反応中心は光を利用して炭酸固定系に必要なNADPHを生成する。葉緑体遺伝子psaCがコードする鉄硫黄タンパクは、系1での光化学反応により生じた電荷分離を安定化し、フェレドキシンを還元する。しかし、これらの反応においてこのタンパクのもつ2つの鉄硫黄中心F_AとF_Bの役割で不明な部分が多く残されている。本研究では葉緑体形質転換が可能な緑藻クラミドモナスを利用して、PsaC遺伝子へ点変異を導入し、鉄硫黄中心を結合するCysを置換した4種の形質転換体を作出しその系1反応中心の活性や構造に対する影響を解析した。 得られた形質転換体(C11S、C14D、C51S、C51D)はすべて光合成的に生育せず、蛍光の誘導期現象の測定により系1の活性は失われていることが示された。ウェスタン分析により、光化学系1反応中心の量が野生株に比べ著しく減少し、PsaCタンパクが検出されないことが明らかになった。したがって、鉄硫黄中心を結合するCys残基は反応中心複合体の安定性に重要な役割を果たしていると言える。さらに、4種の形質転換体から系1反応中心複合体を単離精製する方法を開発し、得られた標品のポリペプチド組成を分析すると、PsaCタンパクばかりでなくその近傍に存在すると推定されている表在性のPsaDタンパクも複合体から失われていることが分かった。おそらくPsaCタンパクが存在しないと、PsaDタンパクの反応中心への結合も影響を受け、チラコイド膜の可溶化か系1反応中心標品の精製の過程で失われたものと考えられる。得られた標品の系1活性を閃光分光法により測定すると、閃光により誘起された電化分離は安定化されず、速い逆反応が認められ、鉄硫黄中心のF_AとF_Bばかりでなく反応中心タンパク上に存在するF_Xも機能していないことが示された。
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