光化学系I反応中心クロロフィル(P700)の抽出および再構成
Project/Area Number |
06640850
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
植物生理
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
池上 勇 帝京大学, 薬学部, 教授 (10082322)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | Photosynthesis / Photosystem I / Chlorophyll / P700 / spinach |
Research Abstract |
植物に吸収された光エネルギーはアンテナクロロフィル分子間を転移しつつ、最終的に特殊なクロロフィル分子(反応中心クロロフィルと呼ばれる)に伝達され、そこで化学エネルギーに変換される。CO_2の還元力を供給する光学系lでは反応中心クロロフィルはP700と呼ばれている。P700はChl-aの二量体がタンパクのヒスチジン残基と配位結合したものと考えられており、その結合部位が変成しないようにP700を抽出できればその再構成も可能になるとの方針のもとに実験を行った。 1)タンパク構造を変性させることなくP700を抽出する方法を確立した。凍結乾燥したホーレンソウの光化学系l粒子をアセトアルデヒドを含むエーテル処理をすると、アセトアルデヒド含量に依存して、アンテナ色素の97-99%、P700の50-75%が抽出された標品を得ることができた。 2)上記の抽出粒子に、もともと結合していた1/2量から1/4量のChl-aを脂質と共に加えると、加えた色素の1/2から1/4が粒子に結合し、脂質添加条件によってP700量は色素再結合前に比べて最大2倍に増加した。最も有効な脂質はMGDGでありPGがこれに次ぐ。MGDGは濃度を増すにしたがってより有効になるが、PGは濃度を増すと逆に効果が下がる。DGDG、PC、PIは殆ど無効である。Chl-aまたは種々の脂質を単独で添加してもP700量は変化しない。 3)再構成されたP700は定常光における光酸化活性を持ち、その酸化還元差スペクトルも再構成前のP700とほぼ同じであった。 4)Chl-aの代わりにChl-a'(Chl-a epimer)を用いたところ、条件によってはChl-aとほぼ同程度のP700再構成能を示し、低濃度のPGまたはMGDGと共に加えると有効であった。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)