有機電界発光薄膜と光電変換薄膜の接合による新しい全有機「光-光」変換素子の開発
Project/Area Number |
06650022
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied materials science/Crystal engineering
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平本 昌宏 大阪大学, 工学部, 助手 (20208854)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 光増幅 / 光電導性有機顔料 / 有機電界発光 / 光電流増倍現象 / フィードバック効果 / 光スイッチング / 「光-光」変換 |
Research Abstract |
本研究は、有機電界発光(EL)素子と、1万倍を越える光電流増倍現象を示す光電導性有機顔料薄膜を組み合わせた新しいタイプの「光-光」変換素子が、光増幅、光スイッチングなどの新機能を持つことを実証する目的で行ったものである。本素子では、光電導性ペリレン顔料薄膜中で光生成した電子が有機発光層中に注入されて出力光が放出される。今回まず、有機発光層の探索を行い、光電導層からEL発光層への電子注入効率が高く、高効率で「光-光」変換できる組み合わせを見いだした。さらに、膜厚や素子動作温度などの最適化を行った結果、素子冷却下で赤色光の光増幅を行うことに初めて成功した。本素子において、光電導性有機顔料薄膜中で起こる光電流増倍は40万倍を越え、光増幅利得は25倍に達した。光増幅時には、EL発光層からの出力光の受光層での再吸収、すなわち、光のフィードバック効果による光スイッチング、光メモリーが可能なことを確認した。また、本素子は、文字、図形などの光パターンを保存したまま変換できる機能をあわせ持つため、将来の光コンピューティングの要素素子として応用可能である。以上のように、これまでにない原理に基づく、全有機光増幅素子の実現可能性を実証することができた。 さらに、室温動作、高速応答の実現を目指して、やはり10万倍を越える光電流増倍現象を示すナフタレン誘導体を受光層として用いた素子の検討を開始した。その結果、室温で3倍の光増幅に成功した。また、受光層となる有機顔料の探索を行い、赤外光を可視化できる光増幅素子の試作にも成功した。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)