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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
構造物の破損事故解析手順の多くは非定型であり,専門家の経験に依存する部分が多い.現在,知識の共有が可能なエキスパートシステム化が必要とされているが,専門家の知識には判断・認識の曖昧さが含まれており,その定量解析手法の確立が望まれる.本研究では,ファジ-数量化理論を用いて事故解析因子の定量解析を図った. 専門家は,破損の種類→事故原因→事故対策の順で推論を行っている.そこで,ファジ-数量化理論第II類を適用することにより,破損の種類から事故対策に至るアルゴリズムの構築を図った.破損の種類と破損原因,破損原因と事故対策の各因子には,関係なし,関係あり,大いに関係ありなどの定性的関係がある.これを質的情報のファジ-集合と考え,推論過程を集合間のファジ-写像でモデル化する.破損の種類と事故原因の関係は質的関係を有するカテゴリー空間を形成し,事故原因と事故対策の関係は外的基準空間を形成するとして,両空間の写像をFとする。写像Fは専門家の意識に潜在的に存在するが,カテゴリーと外的基準の両データは判断と認識の曖昧さを含むので,写像Fは陽には把握できない。本研究では,外的基準空間の構造が最も保持されるという制約条件下で,潜在写像Fの数量化(カテゴリー空間から実空間への写像の評価)をファジ-数量化理論第II類により行った.この解析によりメンバーシップ関数が陽な形で決定でき,曖昧さを伴う実データに修正を施すことが可能である.そして,実空間への写像関数の感度解析から,破損の種類の各因子の事故対策に対する寄与度が定量的に評価されることを明らかにした.また,たとえ破損の種類が特定できなくとも,事故対策でどの可能性が増加あるいは減少するかを定量的に示した.
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