Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
ウェーブレット変換は最近注目されはじめた新しい周波数解析法である。その特徴は,領域全体の平均的な周波数分布を求めるフーリエ変換法と異なって,瞬間周波数が解析できることにある。 本研究ではこの性質を使って,格子法と光弾性法の新しい解析法を開発した。すなわち, 1.格子法によるひずみ計測においてはウェーブレット変換を用いて,各点での変形前後の格子の周波数を計測することにより,ひずみ分布を求めた。この方法はフーリエ変換を用いた従来法よりも広い範囲のひずみ分布の解析を可能にした。 2.形状計測においては,格子を投影した物体を別の方向から撮影し,この変形格子の各点の周波数と位相を解析することにより,その物体の形状を求めた。この方法により大変物体の形状解析が可能になった。 3.光弾性法においては,等色線縞の本数は荷重に比例する。荷重を増加させると明暗の回数(周波数)はその点の縞次数となる。一定荷重速度で負荷中の各点の周波数をウエーブレット変換を用いて調べることにより,その点の縞次数を求める方法を開発した。この方法により縞次数分布の自動解析が可能となった。 4.さらに,このウエーブレット変換解析法の開発過程で,フーリエ変換格子法の適用範囲を,より変形が大きい範囲まで広げるガボール変換解析法も開発した。 5.また,上記解析を行うためのプログラムも開発した。 以上の結果,従来不可能で合った解析が多方面で可能となった。この方法は本研究で示した以外の分野でも有用であり,多くの分野での適用が見込まれる。
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