Project/Area Number |
06650294
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Intelligent mechanics/Mechanical systems
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
牧野 英司 北海道大学, 工学部, 助教授 (70109495)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | 形状記憶合金薄膜 / アクチュエータ / 人工筋肉 |
Research Abstract |
1.市販のTiNi合金線材を母材として蒸着を行うことを前提として、フラッシュ真空蒸着装置を試作した。ボ-ト加熱による通常の真空蒸着で成膜を行うと、TiとNiの蒸気圧の違いによって基板側から膜の厚さ方向に向かって組成がNiリッチからTiリッチへと変動するのが避けられない。フラッシュ法を採用することによって、この組成の変動を許容範囲にまで小さくすることができるようになった。また、フラッシュ法で母材を蒸発させている状態で、シャッターを用いて蒸着のタイミングを制御することによって、膜の平均組成を所定の50at%Ni近傍に容易に制御することができるようになった。 2.フラッシュ真空蒸着によって成膜したTiNi合金薄膜(43〜55at%Ni)の形状記憶性を、X線回析による構造解析、膜の電気抵抗の温度変化、応力-歪み特性から検討した。形成した薄膜は、高温のBCC母相から冷却によるマルテンサイト変態、再加熱による母相への逆変態を示し、熱弾性型マルテンサイト変態による形状記憶特性をもつことを確認した。中でも、45〜50at%Niの組成をもつTiNi合金薄膜は、室温でマルテンサイト相、75℃以上で母相という相変態を示し、常温からの加熱と放冷で形状回復を起こすことができることからアクチュエータ用薄膜として最適なものと結論した。 3.形成した薄膜は、無負荷の状態では完全に元の記憶形状に回復した。また薄膜をダイヤフラムとして250Paの圧力の印加によって322μmまで変形させた状態では、圧力に抗して65μmの形状回復を示した。今後さらに、形状回復特性の評価を行う予定である。また、フォトファブリケーションによる膜のパタ-ニングを行い、微細パターン・アレイの協調動作による柔軟な動きをするアクチュエータとして仕上げていく予定である。
|