Project/Area Number |
06650403
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
情報通信工学
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
河野 隆二 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (90170208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 秀樹 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (70017987)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | アダプティブアレーアンテナ / アレーアンテナ / 等化 / 空間・時間信号処理 / 時空間フイルタ / フイルタ / 移動通信 |
Research Abstract |
アダプティブアレーアンテナの実用化が期待される移動通信、衛星通信などのシステムで解決すべき問題ならびに、国内外の研究機関が行なっているアダプティブアレーアンテナの構成法、制御法、解析法などに関する研究動向を調査し、その対策技術を検討した。具体的には、 1.理論解析:(1)通信路の空間伝搬特性も考慮した空間・時間領域のモデル化:アダプティブアレーアンテナを用いることを前提とした場合、従来の時間(周波数)領域での通信路モデルでは不十分であり、空間・時間領域での通信路モデルを導出した。 (2)アダプティブアレーアンテナを含む通信路に関する通信路容量の解析:情報理論の観点から、アダプティブアレーアンテナを含む通信路の空間伝搬特性を考慮した場合の通信路容量を導出し、従来の理論との比較検討を行なった。 (3)アダプティブアレーアンテナの空間・時間信号処理能力の解析:アレーアンテナの等価ディジタルフィルタ表現などを用いて、アダプティブアレーアンテナの空間フィルタおよび時間フィルタとしての処理能力とその限界を解析した。 (4)アダプティブアレーアンテナを用いた空間・時間領域のマッチドフィルタ、最適受信機の導出:通信路における種々の外乱を考慮し、アダプティブアレーアンテナの空間・時間信号処理能力を考慮したマッチドフィルタなどの検波法や理論的な最適受信機を導出した。 2.方式検討:(1)アダプティブアレーアンテナを用いた空間・時間領域の通信路符号化の考案:情報理論の観点から、アダプティブアレーアンテナを空間領域におけるアナログ符号器と見なした場合、通信路誤りを低減する符号化法と復号法を考案した。 (2)空間・時間領域の適応フィルタとしてのアダプティブアレーアンテナの適応制御アルゴリズムの考案:アレーアンテナの空間信号サンプリング機構に基づく信号の到来方向推定能力を利用し、通信路変動に対して高速かつ安定に適応できるアルゴリズムを考案した。 (3)アレーアンテナとディジタルフィルタの一体化による空間・時間領域における等化方式の考案:アレーアンテナにディジタルフィルタを組み合わせることにより、空間・時間領域の信号処理能力を改善し、従来の波形等化を空間領域も含む等化理論へ拡張し、最適等化方式を考案した。 (4)アレーアンテナとディジタルフィルタの一体化による空間・時間フィルタリングのための適応アルゴリズムの考案:アレーアンテナとディジタルフィルタの一体化に伴うアンテナ重み係数とフィルタ係数の更新に必要な評価基準を導出し、安定かつ高速な収束性を実現する適応アルゴリズムを考案した。 (5)移動通信におけるマルチパス・フェージングの抑圧とダイバーシティ合成への応用:上述の理論解析や各種の考案方式を移動通信、衛星通信、放送におけるフェージング対策に応用する場合の各種パラメータの最適化を検討し、実用技術として確立した。 (6)スペクトル拡散多元接続(CDMA)通信における他局間干渉の除去への応用:陸上移動通信、無線LANなどに採用されているスペクトル拡散通信システムにおけるCDMAの他局間干渉を抑圧・除去するために、上述の各種方式の応用を検討した。 3.実験的解析:考案する各種方式の性能評価と理論的解析の確認のために、計算機上に時間(周波数)領域ばかりでなく、空間(周波数)領域の特性も表現できる通信路シミュレータをワークステーション上で構築し、アダプティブアレーアンテナを含む空間・時間領域の信号処理を記述できる実験系を構築・解析を行なった。 4.総合評価と研究発表:上述の理論解析、実験的解析に基づき、各種提案方式の特長と問題点を明確にし、以後の研究課題として整理した。また、本研究を通じて得られた成果をまとめ、学会において報告した。
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