Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
本研究では,一つの基地局と多数の端末より成るマイクロセル型無線LANを取り上げた.そして,ビデオ・データ統合伝送プロトコルの構成法,複数セル無線LANの性能解析,端末間直接通信の3項目について検討を行った. まず,ビデオ・データ統合伝送プロトコルについては,TDDアロハを予約MACブロトコルを用いて,可変ビットレートのビデオ情報とコンピュータデータとを同時伝送するシステムの性能を,シミュレーションにより評価した.伝送誤りに対処するために,データに対してはARQ制御を,ビデオに対しては許容遅延によるパケット廃棄制御を併用したARQ制御を行った.その結果,ARQはデータのみならずビデオにも必須であるが,パケット廃棄制御の適用領域は小さいことが明らかとなった.また,輻輳に対処するために,ネットワークの負荷に応じてビデオの空間的または時間的解像度を変更する動的解像度制御方式について検討し,その有効性を示した.更に,ビデオ・データ統合伝送に関する同様の検討を,PRMAプロトコルを用いたシステムについても行った.これらの成果は,電子情報通信学会交換システム研究会と情報ネットワーク研究会で発表された. 次に,複数セル無線LANについては,二つのセルが有線LANで相互接続されたデータ系LANの性能を平衡点解析の手法により解析した.TDDアロハ形予約無線LANにおいて,他セルからのトラヒック量の変化がもう一方のセルのシステム性能へ及ぼす影響を調べた.この結果は,電子情報通信学会情報理論研究会で報告された. 更に,無線LANの特徴である隠れ端末が存在する状況において,端末同士が基地局を経由せず直接に通信する方式についても検討した.その性能改善効果を平衡点解析の手法により定量的に示し,電子情報通信学会交換システム研究会において発表した.
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