Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
情報通信システムの大規模化,高度化に伴い,信頼性と性能の両面で最適化された情報通信サービスの提供が要求されている.このようなサービスを提供するシステムはリスポンシブシステムと呼ばれ,そのリスポンシブネスは,システムに故障が起こっても要求された情報通信サービスを指定された時間内に終了できる確率として定義される.これらの確率はタスクスケジューリング,システムアーキテクチャなどに依存するため,リスポンシブネスを一般的に求めることは困難である.本研究では,通信プロトコルに対象を絞ってこれらの確率を求め,通信プロトコルのリスポンシブネスを評価する方法について検討した. 通信プロトコルにおける故障の原因には,ハードウェアの故障,ソフトウェアのバグ,通信路の不良などが考えられる.これらの回復可能なものと不可能なものに分けた.回復可能なものに対しては,回復処理時間を割り当てた.通信プロトコル上で実行可能な各遷移に対する故障の確率と,各状態から出ている遷移に分岐する確率が与えられていると仮定して,通信プロトコルのリスポンシブネスを評価する方法を提案した.具体的には,通信プロトコルに故障が起こっても遷移の実行を継続できるという仮定のもとに,性能を表す確率と信頼性を表す確率の関数としてリスポンシブネスは計算される.通信プロトコルの最終状態に時間内に到達できる確率と,通信プロトコルに故障が起こっても遷移の実行を継続できる確率を個別に求め,状態遷移系列が木状である通信プロトコルのリスポンシブネスを評価した.
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