Project/Area Number |
06650688
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Town planning/Architectural planning
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小山田 善次郎 鹿児島大学, 工学部, 講師 (00041533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
揚村 固 鹿児島大学, 工学部, 助手 (70094117)
松井 宏方 鹿児島大学, 工学部, 教授 (70165752)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1994: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 洪水 / 都市河川災害 / 水害対策 / 都市化 |
Research Abstract |
本研究は、平成5年8月の鹿児島市における都市河川災害を念頭に置いて、日本(鹿児島)とイタリア(フィレンツェ)の河川災害の様相の解明を試みたものである。 1)鹿児島の市街地変遷過程と河川行政策の変遷 小山田は、これまで蓄積した都市地図中心の資料をもとに、鹿児島の市街地の変遷過程を捉え、近世初期までの河川の度重なる氾濫が、大規模な河道の移転・固定・改修をもたらした。その結果、河道が近世中期にほぼ固定したことを明らかにし、以来、基本的に変化のない川筋に規定されて現代の都市化が進展した。そこに、今次の河川災害の主因があることもまた指摘している. 続けて、これまでの日本の河川行政の変遷を、主として治水関連文献と建設白書を参考に調査し、都市河川災害対策が、昭和50年代から主要な目標となり、河川行政のみによらない地方自治体との協力によるリスク分散の手法である「総合治水」にその施策の重点が移行していることを指摘する. 2)鹿児島の水害履歴調査と近代以前の河川対策 揚村は、主として歴史資料を中心にして鹿児島の水害履歴を調査し、近世までの水害履歴の頻度を述べ、近世以降ではとくに都市開発の始まる昭和40年代から都市型水害が顕著にみられるようになったことを指摘している. 3)フィレンツェの水害履歴と河川対策に関する資料収集 フィレンツェを貫流するアルノ河に関しての水害履歴の資料により13c〜20c間の大洪水の頻度を知ることが出来、また、1177年から1761に至る月々の洪水の発生回数を記録した記録もあり、災害の防止に対しては、都市及び水源上流域の扱いにたいする森林水理学者の意見の記述がある。。 一方、フィレンツェ国立文書館とトスカナ州文書館は、この1966年の洪水による文化財の損害調査記録を出版している。 4)総合評価 小山田が指摘した河川行政の「総合治水」への移行が、鹿児島に於いては多方面にリスクを分担させる方法として都市の安全対策としては扱われなかった.河川行政が都市の安全対策の中心課題に成り得なかったのは、依然として都市河川を土木(河川・治水)予算の発動としてしか捉えられていなかったことにその主要因があろうと結論した.
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