Project/Area Number |
06650746
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic materials/Physical properties
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
桑原 誠 九州工業大学, 工学部, 教授 (40039136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下岡 弘和 九州工業大学, 工学部, 助手 (50253555)
高橋 誠治 九州工業大学, 工学部, 講師 (90236290)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | ゾルゲル法 / チタン酸バリウム / 薄膜 / 強誘電性 / 半導性 / 絶縁性 |
Research Abstract |
本研究課題における実験は、基本的に3つの部分から成る。即ち、 (1)金属アルコキシドを用いたゾルゲル法によりBaTiO_3強誘電体薄膜の形成 (2)BaTiO_3強誘電体薄膜の半導体化あるいはドナー添加BaTiO_3半導体薄膜の直接合成 (3)得られたBaTiO_3半導体薄膜の特性評価 である。以下にこれらの実験項目に対して本研究で得られた成果について記す。 (1)の実験については、(1)Ba-エトキシドとTi-イソプロポキシドを用いてゾル溶液を調製し、スピンコート法によりMgO単結晶基板上に製膜した後、600〜900℃、大気中で焼成することにより、膜質の非常に良好な(110)面に強く配向したBaTiO_3単相薄膜(膜厚0.5μm以下)を作製することができた。(2)スピンコート、焼成を多数回繰り返し、半導体化を容易にするために1μm以上の膜厚を持つ薄膜を得た。この薄膜は配向性は低下したが、依然として単相であるものが得られた。(3)MgO単結晶基板上にBaPbO_3(金属導電性物質で、下地電極として用いる)薄膜を形成すると、(110)面に強く配向した膜が得られ、その上にBaTiO_3薄膜を形成することにより同じく(110)面に強く配向した膜を得ることに成功した。以上の実験については、ドナー元素(La)添加、無添加いずれの薄膜についても同じ結果が得られた。 (2)の実験は、未だ世界でも成功例のないものであり、本研究においても目的とする成果は得られていないが、以下のような知見を得た。即ち(1)(1)で得られたLa添加、無添加BaTiO_3薄膜をN_2/H_2雰囲気中1350℃で還元焼成を行ったが、MgO基板上に製膜したものはいずれも半導体化することができなかった。(2)La添加BaTiO_3薄膜を絶縁体BaTiO_3セラミックス基板上に形成した場合は、1350℃大気中焼成においても半導体化することができたが、膜の形態は非常に悪く、基板との反応を示唆するものであった。 この(2)の実験における(2)の結果は、これまで全く見いだされたことのない新しい現象であり、BaTiO_3膜の作成条件及びその焼成条件の適正化により、目的とするBaTiO_3半導体膜の作製が可能であることを示唆する重要な結果である。 (3)の実験については、評価に耐えるBaTiO_3半導体体薄膜が得られていないので、予備実験として得られた絶縁体薄膜についてその誘電性についての評価を行った。その結果、室温で明確な強誘電性は示さなかったが、高誘電率を示す誘電体薄膜が得られていることが確認できた。
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