Project/Area Number |
06650762
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Composite materials/Physical properties
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮本 欽生 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (60107084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
康 燕生 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (80252716)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 高次機能材料 / SHS / HIP / 対称傾斜組成 / アルミナ / 残留圧縮応力 / インテリジェント機能 |
Research Abstract |
セラミックス層とセラミックス/金属複合層を対称的に傾斜組成化した材料は、外層と内層の熱膨張率差によりセラミックス層に強い残留圧縮応力を誘起し、外面はセラミックスであっても、より高い靱性、硬度、強度を示すだけでなく、表面損傷に不敏感な強度特性や損傷の自己検知など、セラミックス固有の性質を越える高次機能を呈する。本研究では、高密度のAl_2O_3/TiC/Ni/TiC/Al_2O_3(材料(A))およびAl_2O_3/Cr_3C_2/Ni/Cr_3C_2/AI_2O_3(材料(B))系高次機能材料をSHS/HIPにより作製した。SHS/HIPは亜鉛精錬時に残渣として大量に産出する低純度Siを発熱剤に用い、1000気圧の窒素ガスによって窒化燃焼させその時の2500℃に達する超高温と高窒素圧によって瞬時に緻密化する高温高圧プロセスである。X線応力解析によって策定した表面Al_2O_3層の圧縮残留応力はそれぞれ220MPa、845MPaで、弾性モデルに基づく簡単な応力計算の結果とほぼ一致することから、これらの残留応力は主として表面セラミックス層と内層の熱膨張率差に起因すると結論された。この圧縮残留応力により、Al_2O_3層の実効靱性はそれぞれ6MPa・m^<1/2>、11MPa・m^<1/2>となり、単体Al_2O_3の4MPa・m^<1/2>比べ大幅に向上した。硬度も10〜20%向上した。曲げ強度もそれぞれ1200MPa、900MPaと単体Al_2O_3の400MPaに比べ大きな値を示した。縮応力とともに実効的な靱性が増す非線形的な現象は、導入したクラック長との関係において理論解析され、測定結果とよく一致した。組成を対称的に傾斜配置することで、材料内部に圧縮/引っ張り/圧縮の残留応力がバランスした状態が出現する。この場合、もし表面に亀裂が入り局所的に応力が解放されると、それが裏面に歪変化となって転写されることが考えられ、実際、Al_2O_3表面にダイヤモンドカッターで細い切り込みを入れた場合、裏面で応力変化が測定された。この現象を利用し、裏面に歪センサーをとりつけておくと、表面での損傷の大きさや方向が検知できるインテリジェント機能が期待できる。このように対称的な傾斜組成構造にすることによって材料固有の物性を越える多様な高次機能が確認された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)