Project/Area Number |
06650769
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Structural/Functional materials
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野田 泰稔 東北大学, 工学部, 助教授 (10005407)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | セレン化亜鉛 / 薄膜 / 有機金属気相堆積法 / 窒素添加 / ラジカル発生剤 / 三弗化窒素 / フォトルミネッセンス / ドナー-アクセプター対 |
Research Abstract |
セレン化亜鉛(ZnSe)による青色波長領域発光デバイス実現のためには、その成膜時に、膜中に原子状窒素を取り込むことが重要とされる。本研究ではラジカル支援有機金属気相堆積法(MOCVD)によりZnSe薄膜の作成し、ラジカル発生剤添加の効果を成長速度および窒素添加の観点から検討した。薄膜の成長条件は、GaAs(100)基板を用い、常圧下で、原料ガスとしてジエチル亜鉛およびジエチリセレンを、搬送ガスに水素を用い、ラジカル発生剤として三弗化窒素(NF_3)を添加し、成長時間1時間、成長温度674-773Kとした。得られたZnSe薄膜について、段差計による膜厚測定、77Kにおけるフォトルミネッセンス測定および走査電子顕微鏡による表面形態の観測を行った。その結果、ラジカル発生剤無添加の場合、成長の活性化エネルギーは従来の報告の値に一致した。またフォトルミネッセンススペクトルは成長温度およびガス流量に依存するが、全体として、ドナーに束縛された励起子による発光は支配的であった。NF_3添加の場合、添加量が少ない領域では、添加量に伴い成長速度が徐々に増大するが1.7×10_<-7>mol/s以上において、成長速度は約5倍増大することが知られた。またフォトルミネッセンススペクトルは無添加の場合と大きく異なり、ドナー-アクセプター対発光が支配的となり、その発光ピークのエネルギーおよび強度はNF_3添加量に依存する。この結果はNF_3中の原子状窒素が成長膜中に取り込まれ、アクセプターとして作用していることを示している。得られた薄膜の電気的特性の評価は今後の検討課題である。またNF_3添加により成長速度の急激な増大のおこる領域では、薄膜表面の凹凸が激しく、フォトルミネッセンススペクトルでは発光強度の低下と深い準位からの発光ピークが観測され、非発光性再結合中心や会合欠陥の導入による、薄膜の品質の低下が認められ、今後高品質ZnSe薄膜の成長条件をさらに検討する必要があることを示している。
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