Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
窒化ケイ素の粒界ガラス相の結晶化が高温強度向上に有効であることは,すでに15年以上前から指摘されていたが,その後粒界ガラス相の結晶化により逆に高温強度が劣化する例も多く出現し,上記のような因子を的確に把握した上で適切な熱処理条件を選択する必要性が特に近年認識され始めてきた。本研究では,できる限り不純物量の少ない酸化物助剤添加窒化ケイ素について,熱処理条件による粒界ガラス相の状態変化を高分解能電子顕微鏡(HREM)観察とEELS分析により調べ,同時に熱処理前後の室温での亀裂進展挙動と高温での強度劣化挙動の変化との対応を理解することを目的として行われた。 主要な成果は以下にまとめられる。 1)与えられた添加物以外の不純物量が50ppm以下である高純度窒化ケイ素試料について,最新の相図などをもとに最も適切な温度条件を推定し,高純度窒素ガス雰囲気炉において種々の時間の熱処理を行った。 2)熱処理前後の試料について,精密重量変化,密度変化,粉末X線回折,SEM組織観察などの一連の評価を行った後,粒界相の透過電子顕微鏡観察とその像のイメージアナリシスによるガラス量の推定と,高分解能電子顕微鏡(HREM)よる粒界相の厚みの精密測定と,組成の局所分析を行った。 3)室温の靱性評価をRーカーブ挙動を含めて詳細に測定すした。また亀裂とマイクロストラクチャーとの相互作用をSEMにより観察した。 4)高温(>1000℃)でのクリープとスロークラックグロース(SCG)抵抗をそれぞれ独立に測定した。 5)2)〜4)の結果を有機的に統合し,熱処理による耐熱,強靱化過程を系統的に理解した。 6)以上の成果をJ.Am.Ceram.Soc.他の国際的に評価の高い雑誌に投稿し,掲載された。
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