Project/Area Number |
06650896
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
触媒・化学プロセス
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小松 隆之 東京工業大学, 理学部, 助手 (40186797)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | 金属間化合物 / 触媒 / コバルト / 水素化反応 / XPS |
Research Abstract |
Bertholide型金属間化合物の存在が知られているCo-Ge、Co-Al、Ni-Sn系のそれぞれについて、以下の手順で単一相の金属間化合物を調製した。市販の高純度粒状金属を目的金属間化合物の量論比で混合した後、シリコニット高温炉あるいはアーク溶融炉を用い、溶融、徐冷した。得られたインゴットを乳鉢で粉砕し粉末とし、XRDで結晶構造を調べた。目的金属間化合物の単一相が得られるように、混合比等を調製した結果、Bertholide型のCoGe、CoAlおよびNi_3Sn_2の単一相が得られた。EDXにより粉末粒子それぞれの組成を調べたところ、粒子間で同様な組成をもつことが分かった。 調製した金属間化合物粉末を高温で水素処理し、空気により酸化された表面を還元した。処理温度を変え、生成した水の量から最適還元条件を求めた。還元前処理を施した金属間化合物のXPSスペクトルから次のことが明かとなった。還元処理により表面においてもAl以外は金属に還元されていること、CoAl以外は表面組成がバルク組成とほぼ一致すること、CoGeおよびNi_3Sn_2において構成元素間で強い電子的相互作用がないことである。 上記金属間化合物を触媒として、ガラス製閉鎖循環系反応装置を用いて、H_2-D_2交換反応を行った。Co金属と比較して、各金属間化合物ははるかに低い活性を示した。すなわち、水素の解離能力が金属単体と比べて著しく低いことが明かとなった。次に、アセチレンおよびエチレンの水素化反応に対する触媒活性を調べた。その結果、金属間化合物はアセチレンの水素化に対して金属単体よりも低い活性を示すこと、およびエチレン水素化には全く活性を示さないことが分かった。この特異な触媒特性によって、金属間化合物上ではアセチレンがエチレンへと水素化されてもさらにエタンへとは水素化されないという高度な選択性をもつことが明かとなった。
|