エタノールアミンからエチレンジアミンの選択的合成触媒の触媒設計
Project/Area Number |
06650902
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
触媒・化学プロセス
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
瀬川 幸一 上智大学, 理工学部, 教授 (60053675)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | エチレンジアミン合成 / ゼオライト / モルデナイト / EDTA処理 |
Research Abstract |
エチレンジアミン(EDA)は農薬等に用いられる需要の多い化学薬品である。現在の製法(EDC法,MEA法)ではEDAの選択性は低く、装置の腐食や高圧による装置の負担等という問題がある。そこで申請者等は、反応生成物の分子径に近い限定された細孔径をもつゼオライトを触媒とし、エタノールアミン(EA)とNH_3から、常圧でEDAを選択的に合成する方法を検討した(日化第63春季年会,2C3 28)。種々のゼオライトの中ではプロトン型モルデナイト触媒(H-MOR)が高活性であった(EA転化率;45%、EDA選択率;77%)。更に高活性・高選択性を示す触媒を開発するために、H-MORに対して様々な化学修飾を施した。その結果、エチレンジアミン四酢酸(H_4EDTA)処理をしたMOR触媒(H-EDTA-MOR)において、高い活性を示し(EA転化率;96%、EDA選択率;60%)、触媒の寿命も向上した。 またIRを用いて本反応の反応径路を検討した。過剰量のNH_3存在下でもEAが選択的に触媒酸点と相互作用し、吸着状態のまま分子内脱水によりエチレンイミン(EI)へ転化することがわかった。このEI吸着種の触媒上での安定度が本反応における選択性に大きな影響を与えていると考えられる。EI吸着種とNH_3が反応してEDAを生成するのだが、EI吸着種の安定度が弱いとEIとして脱離し、反対に強すぎると触媒上での滞留時間が長くなるために、EA多量体が生成する。 高活性を示したH-EDTA-MORにおいては、脱AIにより酸量が減少し、酸強度も弱くなった。酸量の減少により活性劣化の原因となる触媒表面の炭素析出が抑制され、かつ酸強度が若干弱まったことにより上記のEI吸着種からEDAへの反応の進行が促進され、高活性を示したと考えられる。 このように常圧下で、高活性・高選択的にEDA合成に成功した反応の報告例は他になく、工業的にも実用価値の高い方法であると思われる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)