16S rRNA遺伝子のPCR増幅法による海洋堆積物からの光合成細菌の直接検出
Project/Area Number |
06650906
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生物・生体工学
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 徳幸 東京農工大学, 工学部, 講師 (20198229)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 16S rRNA / PCR / 光合成細菌 / 海洋堆積物 |
Research Abstract |
海洋堆積物より分離した高水素生成能を有する新種の光合成細菌Rhodobacter sp.及びRhodobacter marinusの16S rRNA遺伝子のクローニング及びシークエンスを行い、光合成細菌の同定と系統分類を進めることを目的とした。ユニバーサルプライマーを用いたPCR法により光合成細菌の16S rRNA遺伝子を増幅し、その部分をクローニングした後、サイクルシークエンス反応を行い、DNAシーケンサーを用いては塩基配列を決定した。得られた配列から、EMBL及びGen Bankのデータベースから既知の光合成細菌と比較した分子系統樹を作製した。高水素生成能を有する新種のRhodobacter sp.はRhodobacter属の中でも海産のRhodobacter属と高い相同性(91〜96%)があり、Rhodobacter sulfidophilusときわめて近縁であることが明らかになった。また、この株のキャラクタリゼーションを行ったところ、R.Sulfidophilusと基質の資化能の一部を除いて、ほぼ同様な傾向を示した。また、R.marinusは菌体内の色素の吸収スペクトル、硫黄耐性などと16S rRNA遺伝子の塩基配列による分類から、Chromatium属に近いことが明らかになった(相同性80%)。一般に1つの属内の種間における16S rRNA遺伝子の相同性は96%以上であると言われている。よって、新たに分離されたR.marinusは全く新しい属であると考えられた。以上のように、16S rRNA遺伝子を利用した系統分類は、未知の株の迅速な同定を行う際に有効な手法であることが示された。また、相同性の高い既知の株が存在した場合、その株の特徴から未知の株の特徴もある程度、予想可能であり、今後の遺伝子データベースの拡充が望まれる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)