低温作動固体酸化物燃料電池用高性能電極に関する研究
Project/Area Number |
06650942
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
内田 裕之 山梨大学, 工学部, 助教授 (20127434)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 固体酸化物燃料電池 / SOFC / ジルコニア固体電解質 / 過電圧 / 混合導電体 / 高分散触媒 |
Research Abstract |
燃料電池は高効率かつ環境にやさしい発電手段である。安定化ジルコニア(YSZ)などの固体電解質を用いる固体酸化物燃料電池(SOFC)は原理的に総合変換効率が最も高い。しかし、現在開発中のものは約1000℃という高温運転のため、材料特性の劣化が避けられず材料選択も制限される。もし、800℃程度の低温作動が可能なれば、これらの問題も解決され実用化に拍車がかかる。SOFCの低温作動化には、1)固体電解質の薄膜化あるいは高イオン導電性電解質の開発によるオーム抵抗の低減、2)分極ロスが小さな高性能電極の開発 が重要課題であり、高機能性材料の開発研究が強く望まれている。本研究では、SOFCの電極特性を支配する因子を明確にするとともに、新しい設計概念に基づいて低温作動SOFC用高性能電極を開発した。 1.SOFCにおける燃料極特性支配因子の解明 低温作動下でも高性能な電極の開発指針を得るために、ガス電極反応における電解質と電極材の役割について検討した。種々のイオン導電率を有するジルコニア電解質上の白金電極の分極特性を調べたところ、電解質導電率が高いほど燃料極の分極が減少することを見出した。電極反応機構の機構の検討の結果、固体電解質から燃料極反応場への酸化物イオン供給能が電極特性を支配していることを解明できた。すなわち、高イオン導電性電解質の使用により単にオーム損失を小さくできるばかりでなく、電極性能も大幅に改善できるため、低温作動SOFCの高性能化に非常に重要である。この成果は全く新しいものであり、学会発表および研究論文に対して国内外から非常に高い評価を受けた。 2.貴金属微粒子触媒高分散担持によるSOFC用電極の活性化 電子-イオン混合導電体をYSZ電解質に電極として取り付け、その上に極微量の貴金属微粒子触媒を高分散担持した新しい電極構造により、高性能化させることを試みた。まず、燃料極担体に用いる混合導電体SDC,(CeO_2)_<1-X>)SmO_<1.5>)_Xの組成の最適化を行った。その結果、SDC内のイオンおよび電子導電率の両方が最も高いX=0.2の組成で、電極表面への酸化物イオンの供給と反応で生成する電子の移動が最もスムーズに進行して、最高の電極活性を示すことを明らかにした。そして、電極表面への酸化物イオンの供給能を向上させるようにSDC電極層の微細構造の最適化を行い、800-900℃の作動温度において単味のSDC電極の飛躍的な高性能化に成功した。この改良されたSDC電極層にRu微粒子触媒を高分散担持する事により、従来にない非常に高い出力電流密度を得ることができた。 ペロブスカイト型酸化物LSM酸素極にも、白金微粒子担持によって高性能化することができた。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)