Project/Area Number |
06650964
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
無機工業化学
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 傑 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (50024287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 正邦 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (30252315)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | ハイドロキシアパタイト / フィルター / イオン交換体 |
Research Abstract |
ハイドロキシアパタイト(HAp:Ca_<10>(PO_4)_6(OH)_2)には針状と板状(粒状)の粒子形態があり、湿式合成法で作製するとCa欠損型になることが知られている。今回はイオン交換特性を持つ膜、フィルターの作製を念頭におき研究を進めた。CaCl_2、K_2、HPO_4、KOHを出発原料として、湿式合成法により針状HAp粉末を作製するときの条件を吟味した。CaCl_2とK_2HPO_4の等モル溶液を約100℃の熱水に同じ速度で滴下すると、まず針状CaHPO_4が得られ、さらにKOH溶液を滴下すると針状HApが生成した。この時の滴下速度と各溶液の濃度の関数として実験を繰り返した。その結果、滴下温度が遅い程(20ml/h)、濃度が低いほど(0.1mol/l)、aspect比(〜30)の大きい針状HApが生成することが分かった。また、CaCl_2溶液10に対しK_2HPO_4溶液6のものを同時に滴下すると直接HApが生成することも把握した。この場合KOH溶液を滴下するとCa/P比は上昇するがaspect比は減少する傾向を示した。フィルター作製にはドクターブレ-ド法を用いた。フィルターは比表面積が大きな多孔体であることが望ましいが、その条件を満たすのは針状粒子である。これらを均一に分散したスラリー状にする条件を粘性、ζ電位測定を行い最適条件を吟味した。また、凍結乾燥することで亀裂のない均一なグリーンシートになり、1150〜1200℃で1〜5時間焼成し十分ハンドリング可能なフィルターを作製することが可能となった。焼成体はX線回折よりCa欠損型(Ca/P<1.6)ではβ-Ca_3(PO_4)_2に転移することも把握した。焼成HApは強酸域(pH〜2)でも溶解せず、重金属陽イオン(Pb^<2+>)とCa^<2+>イオンとの間で1:1交換を行い、また蛋白質(塩化リゾチーム、BSA)の吸着性能も良好であり、従って耐化学薬品性に優れたフィルターの作製が可能であることを実証した。以上は日本セラミックス協会年会及び東海支部学術研究発表会で講演し現在論文投稿準備中である。
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