Project/Area Number |
06651008
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
戸部 義人 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (60127264)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | 有機光化学 / 不安定活性種 / エンインアレン / 抗腫瘍活性 |
Research Abstract |
本研究では、抗腫瘍活性を有する不安定エンインクムレン型抗生物質をモデルとして、光照射を引き金とする[2+2]開裂によるいくつかの不安定不飽和化合物の発生に関する研究を行った。 1.[3]クムレンの発生:まずプロペラテトラエン1をエノン2と1,4-ジクロロ-2-ブテンとの光[2+2]付加物から合成した。1の光分解によりインダンとともに不安定な[3]クムレン(3)が発生できることが明らかとなった。また反応は照射する光の波長に依存し、短波長光(254nm)を照射した場合に効率よく(約30%)クムレンが発生したが、長波長光を用いた場合にはジパイメタン転位生成物がえられた。 2.直線状ポリインの発生:エノン2とトリクロロエチレンとの光[2+2]付加物からジエチニルプロペラトリエン4を合成した。4の光照射を行ったところ、インダンとともにヘキサトリイン6が良好な収率(65%)でえられた。さらにパイ系が拡張した5の光分解でも、デカペンタイン7が好収率でえられた。この際にも少量の光転位生成物が副生することがわかった。 以上のように、[4.3.2]プロペラン骨格を母体とする基質の光分解により、目的の[2+2]開裂反応が生起し、不安定不飽和分子を発生しうることが明らかとなった。本研究では、エンインアレンを発生しうる前駆体8の合成までは至らなかったが、現在エノン2とプロパルギルアセテートとの光[2+2]付加物を合成し、8への変換について検討中である。
|