両親媒性高分子とタンパク質との自己組織的複合体形成とその機能
Project/Area Number |
06651027
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子合成
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
秋吉 一成 京都大学, 工学部, 助教授 (90201285)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 両親媒性高分子 / タンパク質 / 自己組織化 / ヒドロゲル / ナノパーティクル / 熱安定性 / 多糖 / コレステロール |
Research Abstract |
これまでに、申請者は天然多糖であるプルランに疎水性基としてコレステロール基を導入した疎水性化多糖が水溶液中、自己会合によりナノオーダーのヒドロゲル微粒子を形成すること、また、種々の水溶性タンパク質がその微粒子中に自発的に取り込まれること、さらに、包接されたタンパク質の熱安定性を著しく増加させることを明らかにしている。本研究では、高分子系でのホストーゲストの化学といえる多糖集合体ホストとゲストであるタンパク質、酵素との包接現象、さらに包接によるタンパク質の機能制御について詳細な検討を行なった。種々の球状蛋白質とCHP集合体微粒子を室温で混合することにより温和な条件下で、蛋白質が結合した複合体微粒子が単離された。その包接挙動は、蛋白質の分子容、疎水性等に大きく依存する。例えば、分子量が小さく疎水性の高いIns(MW6000)では、混合後数分以内で取り込みが平衡に達するが、BSA(MW67000)などの比較的大きな蛋白質は、平衡に到達するのに数時間以上も要する。コレステロール置換度を下げることによりヒドロゲルの網目を大きくすると平衡到達は速くなり、結合定数も増加する。このように、ホストとしてのヒドロゲル微粒子のポアサイズ、疎水性を変えることでゲストとしての蛋白質の取り込みを制御しえることがわかった。高感度滴定型カロリーメーターを用いて、CHP-BSA複合体形成における熱力学パラメーターを求めたところ、複合体形成はエンタルピー支配である事がわかった。多糖自体は電荷をもたない中性であることを考えると、静電的相互作用よりはむしろ蛋白質とCHPの糖鎖間の直接あるいは水分子を介した水素結合の形成が複合体形成の主因子であると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)