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¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
本研究では、当初の目的に従って逆の極性を置換基を同時にオレフィン炭素上、あるいはメタン上にもつ化合物(プッシュープル化合物:PP化合物)を合成し、1.このモノマーの重合反応を速度論的方法などで調べるとともに、2.生成ポリマー、PP付加体などの機能性について研究した。その結果、以下の成果を得た。 1.まず、逆の極性置換基をオレフィンの同一炭素原子上にもつ化合物としてα-シアノスチレン誘導体を合成し、そのラジカル重合を研究した。その結果、従来のα-置換スチレンと異なり、このPP置換したスチレンは単独重合して分子量数万のポリマーを与えた(Inter.Symp.,IPC'94,Nov.30(1994),Osaka,Japan;Polym.Inter.,accepted)。さらに、別のPP化合物としてα-アシロキシアクリル酸メチル類を合成しその重合性を調べたところ、特にα-アセトキシ体は特異的な重合によって立体的に密で剛直な構造をもつ高分子量のポリマーを与えた(Marvel Symp.,March 12(1995),Tucson,U.S.A.;高構子討論会,1994年10月)。一方、オレフィンの隣接炭素原子上にPP置換した核置換ケイ皮酸ニトリルは、1、2-二置換体にもかかわらず重合すること(Macromol.Chem.Phys.,195,601(1994))、および、従来、芳香族化合物にしか見出されていなかった酸化重合がPP置換すると脂肪メタン族でも可能になることもわかった(Macromol.Symp.,84,137(1994))。 2.次に、これらポリマーの熱特性、光学特性を比較したところ、アシロキシ体ポリマーの一つが透明で強靱なフィルムを容易に形成し、非常に優れた工学特性を示すことが見出された(J.Materials Sci.Lett.,13,545(1994))。また、PP化合物は固体状態でも容易にスピン分子を生成すること(Macromol.Rapid Commun.,16,1(1995))、および、PP化合物がスチレンなどの有効な重合開始剤となることもわかった。
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