Project/Area Number |
06651046
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子構造・物性(含繊維)
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
野島 修一 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (20156194)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 2元ブロック共重合体 / ミクロ相分離 / 結晶化 / X線小角散乱 |
Research Abstract |
本年度に行った研究実績の概要を以下に箇条書する。 (1)目的に合致した試料として、ε‐カプロラクトン(結晶性)-ブタジエン(非晶性)2元ブロック共重合体(PCL‐b‐PB)を選定した。PCL組成が27vol%であり、全体の分子量が9,400から39,400までの5種類のPCL‐b‐PBを真空下アニオン重合法で合成し、それぞれの分子特性をGPC,H‐NMR,VPO,DSCにより評価した。 (2)結晶性ブロック鎖の融点以上の温度(65℃)でのPCL‐b‐PBの高次構造を、X線小角散乱(SAXS)法と透過型電子顕微鏡により調べた。その結果、低分子量のPCL‐b‐PBは65℃で均一であるが、分子量が増加すると、ラメラ、および、シリンダー状のミクロ相分離構造をとることが分かった。このミクロ相分離構造のくり返し周期は、分子量の増加と共に増加する。 (3)融点以下の種々の温度でPCLブロック鎖が結晶化した後の高次構造は、分子量にかかわらず、結晶性ラメラと無定形相とのくり返し構造(ラメラくり返し構造)となることが分かった。すなわち、融点以上で存在していたミクロ相分離構造は、ひき続く結晶化により完全に破壊する。ラメラくり返し構造の周期もまた分子量の増加と共に増加する。ラメラくり返し構造中の非晶性ブロック鎖のコンフォメーションについて考察した。 (4)ミクロ相分離構造からの結晶化過程を、シンクロトロン放射を用いた時分割SAXS法により追跡した。定性的には、存在するミクロ相分離構造は結晶化の初期過程には影響を与えないが、後期過程には重大な影響を与えることが明らかとなった。現在、結晶化過程の定量的な解析を行っており、ミクロ相分離構造からの結晶化の特異性について検討中である。
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