Project/Area Number |
06651057
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子構造・物性(含繊維)
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
筒井 哲夫 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 助教授 (40037982)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | 蛍光発色団 / 高分子固体 / 励起状態 / エネルギー移動 / 有機EL / ドナー色素 / アクセプター色素 / 発光寿命 |
Research Abstract |
1.低分子色素を高分子媒体中に均一分散した系のエネルギー移動のダイナミックスの研究 ポリカーボネートを高分子媒体に用い、エネルギードナー色素として、発光性の色素(芳香族ジアミン、ピラゾリン類、アルミ金属錯体など)、エネルギーアクセプターとして、長波長領域に発光ピークを持つスクアリリウム色素を用いた固体薄膜系を対象としてエネルギー移動の実験を実施した。薄膜で、ドナー色素の種類と励起スペクトル並びに発光スペクトルの関係を詳しく調べることから、フェルスター型と呼ばれる長距離エネルギー移動が可能な系を見いだした。 長距離エネルギー移動が明確に観測できた系について、更にドナー色素及びアクセプター色素の発光減衰挙動を蛍光寿命計測装置を用いて研究した。ナノ秒の時間領域でのエネルギー移動が明確に観測できた。得られた発光減衰データの定量的な解析手法について検討中である。 2.真空蒸着色素薄膜を用いた薄膜積層EL素子における励起状態エネルギー移動に関する研究 2層積層型、3層積層型のEL素子において、キャリヤ再結合・発光が起こる狭い領域に局所的にエネルギーアクセプターをドープしたEL素子を作製し、EL発光スペクトルを詳しく分析した。ホスト色素から励起エネルギー移動が生じていることを確かめることができたが、更にこの励起エネルギー移動現象を利用して、積層型EL素子の発光の機構を詳細に調べることができることが分かった。現在この手法を適用して、積層薄膜EL素子の発光機構の解明の系統的研究を実施中である。 3.新しい材料系の探索 固体薄膜中で励起エネルギー移動が生じる系は、一重項からの発光を示す低分子色素系に限られるものではない。主鎖上に蛍光発色団を組み込んだ高分子系、三重項からの長寿命の発光を示すヨウロピウム錯体系など、新しい材料系を合成し強い発光を示ししかも団体薄膜として取り扱える材料系を幾つか見いだした。
|