微生物の酵素を活用したタンパク質への糖鎖の付加に関する研究
Project/Area Number |
06660102
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用微生物学・応用生物化学
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 憲二 京都大学, 農学部, 助教授 (70109049)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉置 尚徳 京都大学, 農学部, 助手 (20212045)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | Endo-β-N-acetylglucosaminidase / Mucor hiemalis / 糖タンパク質 / アスパラギン結合糖鎖 / 複合型糖鎖 / 糖転移反応 / アシアロトランスフェリン / リボヌクレアーゼ |
Research Abstract |
我々は土壌より単離同定した糸状菌Mucor hiemalis が培養液中に、糖タンパク質のアスパラギン結合糖鎖の高マンノース型、混成型糖鎖のみならず複合型糖鎖をも切断遊離するEndo-β-N-acetylglucosaminidase(Endo-M)を見出すとともに、本酵素が糖ペプチドの糖鎖を受容体に転移する糖(鎖)転移活性を持つことを見出した。本研究では本酵素の糖転移活性を利用することによって糖鎖をタンパク質やペプチドに付加することを試みた。 1.糖鎖の転移活性:本酵素は糖タンパク質のアスパラギン結合糖鎖のジアセチルキトビオース結合に作用して糖鎖を切断遊離する加水分解活性を有している一方、糖鎖を受容体に転移する糖転移活性をも有することを見出した。即ち、糖鎖の受容体としてN-アセチルグルコサミン(GlcNAc)を用い複合型糖鎖を有するヒト血清アシアロトランスフェリンの糖ペプチドを供与体として、本酵素による糖鎖の転移を調べたところ、GlcNAcに糖鎖が付加した糖(鎖)転移生成物を確認した。 2.糖鎖の転移受容体:糖鎖の転移受容体について調べたところ、GlcNAcのみならず、ジアセチルキトビオースやトリアセチルキトトリオース、また、グルコースやマンノースなどにもアシアロトランスフェリンの複合型糖鎖が転移することをHPLC分析などによって確認した。さらに、ダンシル化したAsn-GlcNAcも転移受容体となった。 3.糖(鎖)転移活性測定法の開発:本酵素の糖鎖転移活性を、ピリジルアミノ化したジアセチルキトビオースを受容体として用いることにより、HPLCで迅速に分析することができる方法を開発した。 4.ウシ膵臓リボヌクレアーゼの糖鎖のすげ替え:高マンノース型糖鎖を持つウシ膵臓リボヌクレアーゼをペプシンで消化して得られた糖ペプチドにEndo-HタイプのEndo-β-N-acetylglucosaminidaseを作用した後、アシアロトランスフェリン糖ペプチドを糖鎖供与体として、Endo-Mを作用したところ、複合型糖鎖を持つリボヌクレアーゼの糖ペプチドが得られることを確認した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)