Project/Area Number |
06660135
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bioproduction chemistry/Bioorganic chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平竹 潤 京都大学, 化学研究所, 助手 (80199075)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 抗体触媒 / 化学発光 / 1,2-ジオキセタン誘導体 / トリガー反応 / イムノアッセイ |
Research Abstract |
本研究は、化学発光を触媒するモノクローナル抗体を作製し、ラジオアイソトープを使わない超高感度なイムノアッセイ系への応用をめざしたものである。今年度の研究では、まず、抗体に化学発光を触媒させるための反応としてジオキセタンの分解に伴う化学発光が最も適した反応であることを、いくつかの予備実験から確認した。すなわち、ジオキセタンの開裂は、持続性のある安定した化学発光を示すこと、抗体によって切断されると同時に化学発光が始まる「引き金」となる保護基を設計しやすいこと、ならびに抗体タンパク質にとって温和な条件(室温・中性付近の水溶液)でも顕著な化学発光がみられることなど優れた性質を示すことを明らかにした。そこで、熱的に最も安定なアダマンチルメトキシフェニルジオキセタン誘導体を基質の基本骨格に選び、切断とともにそのジオキセタン環の開裂が引き起こされるような保護基(トリガー)を設計した。すなわち、芳香環上のメタ位にある水酸基をシアノエチル炭酸エステルとして保護し、抗体によってシアノエチル基が切断されると同時に、一連の分解反応が開始されるようなフェニルジオキセタン基質を7工程で合成した。この基質は、アルカリ条件下で確かに保護基が切断され、顕著な化学発光を示すことを確認した。次に、この保護基を切断する活性を持ったモノクローナル抗体を誘導するために、特定の部位にアミノ基を導入したハプテンを2種類設計し、それぞれ7および9工程で合成した。こうして得られた2種類のハプテンはキャリアータンパク(KLH)に結合させたあと、常法に従ってマウスを免疫し,現在スクリーニングを行なっている。今までのところ化学発光を触媒する活性を持った抗体は見つかっていないが、設備備品として購入した蛍光分光光度計は化学発光を検出するのにも有効であるため、非常に高感度な化学発光法の利点を組み合わせたプレートアッセイを駆使すれば、化学発光を誘発する高い活性を持ったモノクローナル抗体が必ず得られると確信している。今後、得られる抗体触媒の遺伝子をクローニングし、大腸菌での大量発現系を構築する予定である。
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