Project/Area Number |
06660224
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General fisheries
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山崎 文雄 北海道大学, 水産学部, 教授 (60001608)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 繁殖 / 性誘引 / 性フェロモン / 尿 / 性差 / キンギョ / シロサケ / サクラマス |
Research Abstract |
キンギョで、はじめて発見した成熟雌尿中の蛋白群は、本年度の研究によって、雌性ホルモンE_2の支配下にあって、尿中への分泌が統御されていることを明らかにした。E_2は卵黄形成に関するホルモンであるが、その他に最終成熟を促進する17α,20β,DHPを径口投与すると同様の蛋白群が尿中に出現することから、このホルモンも関与するものと推定された。しかし、17α,20β,DHPは雄の最終成熟をも促進することから、雄の尿中には雌特異蛋白質群が出現しない理由を説明するための解析が必要となった。キンギョで発現された尿中雌特異蛋白群と同様の蛋白がサケ科魚種であるサクラマス、ニジマス、カラフトマス、シロサケ、ギンザケ、オショロコマ、カワマスでも成熟した雌の尿中に存在することを明らかにした。 これらの蛋白群は分子量が10^4〜2×10^5の範囲にあり、SDS-PAGEにより、分離されるバンド数は20以上であって、どの蛋白バンドが生理活性を有するか、本年度は明らかにすることは出来なかった。 人工水路による誘引実験の結果成熟サクラマス雌の尿を水路に20ul滴下すると成熟サクラマス雄は興奮し、尿を滴下した水路に有意に誘引されることが示された。シロサケとサクラマスの腎臓には明らかに雌雄差のあることが示された。生殖腺と消化管を除去した状態の体重量に対する腎臓重量比(KSI)はシロサケ雌で、1.01±0.12、雄で1.21±0.07、サクラマスでは雌で1.02±0.19、雄で1.31±0.22と明らかに異なることが示された。組織観察の結果ではシロサケ、サクラマス共に雌の細尿管の上皮細胞は細胞質が少なく、一部に組織の著しい萎縮が観察された。雄の腎臓には萎縮像は観察されず、この雌雄にみられた組織像の相違は、雌で大量に放出される尿蛋白と関連するものと推定された。 成熟雌尿中の蛋白泳動バンドの一部は血清蛋白の泳動像と類似していることから血清由来である可能性が示唆された。
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