Project/Area Number |
06660268
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Fisheries chemistry
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
杉田 治男 日本大学, 農獣医学部, 助教授 (50139052)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 腸内細菌 / 魚類 / 抗菌物質 / 好気性細菌 / 嫌気性細菌 / 重層法 / 細菌相 |
Research Abstract |
多くの外来細菌が魚類腸管内に定着できない原因として常在腸内細菌が何らかの抗菌物質を生産してこれら外来細菌の定着を阻止していることが考えられるため、本研究では魚類腸内細菌による抗菌物質の生産について検討した。研究結果の概要は以下に示した。 1.淡水養殖魚類6種の腸内細菌相について検討したところ、いずれの魚種でも好気性細菌のAeromonas属細菌が優占した。さらにDND-DNAマイクロプレートハイブリダイゼーション法によって検討したところ、これらの細菌はA.caviae,A.hydrophila,A.sobria,A.jandaeiおよびA.veroniiに同定された。また嫌気性細菌のBacteroidesA型菌およびClostridium属細菌はアユ、キンギョ、コイおよびティラピアにおいて優占することが判明した。 2.分離した細菌の抗菌活性をDopazoら(1988)の重層法によって測定した。なお検定菌には魚類病原細菌および食中毒細菌、計20菌株を用いた。その結果、好気性細菌の中には何らかの抗菌活性を示す菌株がすべての魚種に含まれていたのに対し、嫌気性細菌ではコイ、キンギョおよびアメリカナマズ由来の菌株に活性を有するものが認められなかった。また全体的にはウナギおよびニジマスには検定菌を殺傷する細菌の割合が高いことが判明した。 3.高い活性を有する腸内細菌(A.sobria Q4株)の抗菌物質生産能について検討したところ、これらの物質を細胞内に蓄積することが判明したが、比較的不安定な物質であるため精製には至らなかった。今後は別の観点から精製を行う必要がある。 4.以上の結果から淡水魚類の腸管内では常在腸内細菌が生体防御機構の一翼を担っていることが示唆された。 以上
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