Project/Area Number |
06660372
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Basic veterinary science/Basic zootechnical science
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中井 裕 東北大学, 農学部, 助教授 (80155655)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | コクシジウム / モノクローナル抗体 / 宿主細胞認識 / ワクチン / Eimeria / スポロゾイト |
Research Abstract |
ニワトリコクシジウム症は養鶏産業に多大な被害を与える疾病である。コクシジウム原虫の組織への感染は原虫が宿主細胞を認識することによって開始するが、この認識機構を阻害することによって、感染防除が可能と考えられる。本研究は、原虫の宿主認識機構を担うリガンド分子の性状を明らかにすることを目的として行った。 実験は本研究で作製したモノクローナル抗体(KC-1)を用いて行った。この抗体はin vitroでEimeria tenellaスポロゾイトの宿主細胞浸入を阻害し、E.tenellaの生活環の初期ステージに特異的に反応する。KG-1の認識抗原の検索を行ったところ、スポロゾイト表面の分子量25kDaの抗原(KC-1抗原)と反応した。このKC-1の反応は宿主細胞抽出物の添加によって阻害され、このKC-1が認識する原虫表面のKC-1抗原は宿主細胞への付着能に関与するものと考えられた。KC-1抗原をウエスタンブロッティング法によって分離し、過ヨウ素酸処理するとKC-1抗体との反応が消え、KC-1抗原エピトープに糖が含まれることが示唆された。つぎに、KC-1抗体をプロテインA-アガロースに結合させて免疫アフィニティーカラムを作成してKC-1抗原を精製した。この精製抗原をC4逆相クロマトグラフィーで分析したところ、高い親水性を持つことが示され、糖の存在が強く示唆された。また呈色反応によって、KC-1抗原にはシアル酸型糖鎖は含まれないが、中性糖が含まれることが示された。精製抗原はゲル濾過法によって3つの画分に分画され、3画分中で最小の7kDaの画分が最も高い抗原性を持つことが明かとなった。^1H NMR分析では、この抗原画分は糖骨格に特徴的なスペクトルを示し、ペプチド骨格のメチル基由来と思われるシングレットピークを示した。以上の結果より、KC-1抗原は糖ペプチドであると結論された。本抗原は今後、コクシジウムワクチン抗原候補の1つとなるものと考えられる。
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