Project/Area Number |
06670001
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General anatomy (including Histology/Embryology)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
近藤 尚武 東北大学, 医学部, 教授 (20004723)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | CaMIVキナーゼ / 遺伝子クローニング / 抗体 / 免疫組織化学 / 末梢ニューロン / パラニューロン |
Research Abstract |
カルシウムとカルモジュリアンに依存性の蛋白質リン酸化酵素のうちで小脳顆粒細胞に特異的な分子がCaMキナーゼIV型として見出され、その遺伝子クローニングが他者により報告された。本研究ではこの分子の遺伝子をさらに解析した結果、既報の分子の3′-翻訳領域にアミノ酸28個が新たに付加した分子を発見してCaMキナーゼβ型と名づけ、既報のものをそのα型として区別した。次いで、両型に共通の翻訳領域で159個のアミノ酸からなるペプチドを大腸菌に遺伝子をもとに発現させ、ウサギに免疫させて特異抗体を得た。免疫ブロット法によりこの得られた抗CaMキナーゼIV抗体は、分子量約61と63kDの2本帯を示した。この特異抗体を用いて先ず中枢神経全体を、そして次に末梢神経節といくつかのパラニューロンを免疫組織化学的に検索して、CaMキナーゼIVの局在を精査した。中枢神経系では、小脳顆粒細胞は勿論のこと前脳から脊髄にわたって中型と小型ニューロンのほとんど全てが免疫陽性であり、免疫陽性産物はそれぞれのニューロンの核に局在して見出された。小脳プルキニエ細胞や脳幹における運動神経核の大型ニューロンは免疫陰性であった。この所見は我々が既に報告した遺伝子組織化学的所見と完全に一致した。末梢でのCaMキナーゼIV免疫反応は、交感・副交感神経節とおよび腸壁内神経節のほとんど全てのニューロンと知覚神経節の中・小型ニューロンに見出され、その核にのみ局在していた。軸索には明瞭な免疫反応は検出されなかった。さらにパラニューロン代表である副腎髄質の全てのクロム親和細胞が免疫陽性を示し、免疫反応物はやはり核に局在していた。その他、頸動脈小体主細胞でもその核が免疫陽性を示した。以上の所見から、中・小型ニユーロンおよびパラニューロン核におけるなんらかの情報伝達にCaMキナーゼIVが重要な機能を担っていることが強く示唆された。今後、パラニューロンの分泌亢進や抑制および知覚刺激等の実験条件でこの分子の発現変動を調べる予定である。
|