Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
ナチュラルキラー(NK)細胞が末梢血中より臓器に分布、定着したのち固有型へ分化する過程をNK細胞の果粒の形態解析によって明らかにしようとした。1)肝移植早期に移植肝に流入してくる白血球の形態を調べたところ、無果粒リンパ球に先だってNK細胞が増加、類洞外遊出することが明らかになった。また、移植肝が、末梢血由来NK細胞の肝での分化を解析するにあたって有用であることを示した(Yamamoto et al.,1994)。2)ラット化学発癌実験において肝癌内にNK細胞が浸潤していることを明らかにし(Shoji et al.,1994)、浸潤NK細胞の果粒形態が肝固有NK細胞のそれと類似することから、肝固有型が選択的に肝癌に浸潤すると考えられ(Shoji et al.投稿予定)。3)ラットNK細胞白血病細胞株(RNK細胞)を用いた転移実験において、脾に転移したRNK細胞に比べ、肝に転移したものは肝固有NK細胞とより類似の微細形態を示すことから、肝微小環境とNK細胞の固有型への分化の関連性が示された(Kaneda et al.,投稿予定)。4)マウス肝より樹立したNK細胞株をIL-2の存在下および非存在下で培養することにより、IL-2の果粒形態に及ぼす効果を検索した(Miyazawa et al.Cells of Hepatic Sinusoid,vol.5,in press,1995)。5)子宮内膜NK細胞(GMG細胞)の微細形態およびホルモン環境との関係を調べた結果、GMG細胞の果粒は末梢血NK細胞のそれと同じ基本的特徴をもつものの、サイズや数が著明に大きいことがわかり、GMG細胞はNK細胞が子宮において特殊に分化したものであり、それには女性ホルモンの影響が大きいことが明らかとなった(中村ら、生殖免疫学会発表,1994)。なお、in vitroでの解析のために、現在GMG細胞の分離を試みている。
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