燐酸化による神経伝達物質トランスポーター機能制御と長期増強との関係に関する研究
Project/Area Number |
06670111
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General pharmacology
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
斎藤 尚亮 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 教授 (60178499)
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Project Period (FY) |
1994 – 1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | protein kinase C / GABA / transporter / phosphorylatim / synapse |
Research Abstract |
神経細胞から他の神経細胞への神経情報伝達機構は、神経伝達物質のシナプス間隙からのクリベ-ジによって終了される。我々は神経伝達の終了に関与する神経伝達物質トランスポーターの制御機構について詳細に検討した。今日までGABAトランスポーターには少なくとも3種類のサブタイプがあることが分子クローニングによって明らかにされており、Nipecotic acidとβ-alanineに対する感受性によってそれぞれが薬理学的に異なった特性を持っていることが示されている。GAT1はNipecotic acid感受性β-alanine非感受性GABAトランスポーターで、神経終末に存在するタイプであると想像されている。またこれらのGABAトランスポーターは一次配列からプロテインキナーゼCによってリン酸化されうる可能性が高い。すべてのGABAトランスポーターサブタイプを含みうるシナプトソームにおいて、プロテインキナーゼCの活性化により、親和性を低下させることによるGABA取り込みの抑制をみとめた。さらにβ-alanine存在下でも同様の抑制効果が認められたこと、シナプトソームのGABA取り込みのほとんどはNipecotic acid感受性であることから、シナプトソームにおけるGABA取り込みの抑制は恐らくシナプトソームにおけるGAT1を介したものだと推定された。 アフリカツメガエル卵母細胞発現系を用いて、GAT1に対するプロテインキナーゼCの作用を検討した。その結果、GAT1に対しても、シナプトソームで認められたプロテインキナーゼCによる抑制効果が認められた。 以上の結果より、プロテインキナーゼCはシナプトソームにおいてGAT1をリン酸化することによってGABA取り込みを抑制し、GABAシナプス伝達効率を上昇させている可能性が示唆された。この結果、プロテインキナーゼCによるリン酸化反応は、シナプス伝達の終了機構を制御することによっても、神経の可塑性に関与することが考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)