非神経性ATPによる逆行性交感神経伝達調節機構とストレスの影響
Project/Area Number |
06670113
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General pharmacology
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
篠塚 和正 武庫川女子大学, 薬学部, 助教授 (50117777)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ストレス / ATP / 血管 / 内皮細胞 / 交感神経 / _1-アドレナリン受容体 |
Research Abstract |
1.平滑筋・内皮細胞由来ATPを介した逆行性交感神経調節機構の性質 (1)様々な部位から摘出した血管を用いて、ノルアドレナリンによるATP遊離の部位差を検討した結果、末梢側の血管からより多くのATPが遊離されることを明らかにした。 (2)培養細胞を用いた実験からノルアドレナリンのα_1受容体刺激によって遊離されるATPは主に内皮細胞に由来することを明らかにした。 (3)内皮からのATP遊離は比較的高濃度のα_1受容体作動薬または高頻度の交感神経刺激により引き起こされること、この遊離ATPは交感神経伝達を抑制的に調節していること、などを明らかにした。このようなことから内皮由来ATPは交感神経が著しく興奮した状態下で機能する可能性が推察された。 2.ノルアドレナリン及びATP遊離に対するストレスの影響 (1)水浸拘束ストレス負荷は内皮細胞のATPやEDRFの産生・遊離機能に抑制的な影響を及ぼすことを明らかにした。 (2)高血圧ラットにおいては内皮細胞のATP遊離機能は変化せず、交感神経終末部のプリン受容体機能が減弱することを明らかにした。 (3)動脈硬化モデルラットにおいて、内皮細胞のATPの遊離機能が減弱することを明らかにした。 以上の結果より、血管の交感神経と内皮細胞はATPを介して相互に調節するように機能していること、この相互調節機能は精神的なストレスや高血圧・動脈硬化などによって低下していることが示唆された。今後はATP遊離の細胞内機序について検討する必要があると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(11 results)