アンチセンスオリゴ法によるHTLV-I関連疾患に対する遺伝子調節治療法の開発
Project/Area Number |
06670171
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pathological medical chemistry
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
北島 勲 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (50214797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 利博 鹿児島大学, 医学部, 助手 (90260752)
丸山 征郎 鹿児島大学, 医学部, 教授 (20082282)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 成人T細胞白血病 / 関節炎 / HTLV-I tax / NF-kB / アンチセンスオリゴ / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
(1)アンチセンスオリゴの合成:HTLV-I tax蛋白翻訳開始部分を標的としたアンチセンスオリゴマー(AS・tax)とそのセンスを合成し、われわれが報告した方法(J.Bion.Chem.267,25881,1992)に基づき3'末より3塩基をホスフォロチオエ-ト化した。また同方法を用い核内転写因子NF-kB p65に対するアンチセンス核酸(AS・NF-kB)も合成した。 (2)アンチセンスtax,NF-kBによるHTLV-I産生細胞株(MT-2)の細胞増殖に与える影響:(1)により合成したAS・tax,AS・NF-kBをMT-2細胞に投与した。アンチセンスの蛋白抑制効果はtaxに対する抗体を用いたウエスタンブロットにより最高80%の抑制,NF-kBはゲルシフトアッセイにより88%の抑制に成功した。しかし、MT-2細胞増殖はAS-taxでは変化がなく、AS・NF-kBにより投与量に比例して抑制され最大70%の増殖抑制が認められた。 (3)HTLV-I関連疾患への応用:HTLV-I関連疾患のうち、HTLV-I型関節症(HAAP)の患者より得られた培養tax発現滑膜細胞にAS・taxを投与した。8日間の投与によりAS・taxは投与2日目より滑膜細胞の形態変化を誘導し3日目より明らかに有為な増殖抑制効果が確認できた(第15回国際臨床免疫学会、ストックホルム、1994年6月学会発表;臨床免疫 27,153,1995,J.Clin.Invest.投稿中)。 (4)AS・NF-kBの臨床への応用検討:炎症性サイトカインによりNF-kB活性が誘導されることが知られているが今回、われわれはトロンビン刺激によってもその活性が高められることを明らかにした。このトロンビン刺激によるNF-kBの活性はAS・NF-kBにより先のレベルにまで低下させることを見い出し報告した(Biochem.Biophys.Res.Commu.204,950,1994)。 以上、HAAPの滑膜細胞、HTLV-I感染T細胞などHTLV-I tax発現により高められたNF-kBの活性化をAS・NF-kBにより抑制できる可能性が見い出され、この成果は将来のHTLV-I感染症遺伝子治療に利用できる可能性が考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)