ホジキン病における免疫グロブリン超可変領域の遺伝子的検討
Project/Area Number |
06670189
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Human pathology
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森 尚義 名古屋大学, 医学部, 助教授 (90045732)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠井 謙次 名古屋大学, 医学部, 助手 (70242857)
伊藤 雅文 名古屋大学, 医学部, 助教授 (50184693)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Keywords | Hodgkin病 / 免疫グロブリン遺伝子 / PCR / RT-PCR / CDRIII |
Research Abstract |
Hodgkin病を特徴ずけるR-S細胞の起源を明らかにするため、Hodgkin病30例につき遺伝子的検索を行った。1)免疫グロブリン(Ig)遺伝子JHとT細胞受容体遺伝子(TCR beta)を用いてSouthern blotを行い、3例(10%)にJH遺伝子の再構成を認めた。2)Hodgkin病におけるIg遺伝子の機能的なクローン性再構成(VDJ結合部)の有無を検討するため、CDR111領域のPCRを行い、CDR111のクローン性バンドが6例(20%)に認められた。3)上記6例につきmRNAを抽出後RT-PCR法を行い、クローン性mRNA発現の有無を検討し、1例にこれを認めた。 このようにHodgkin病の一部症例にIg遺伝子の機能的なクローン性再構成が認められたことは本症のB細胞由来説を支持する所見と言える。PCR法は高感度な検出法であるところから、少量の細胞しか含まれないHodgkin病においても大多数の症例でIg遺伝子のクローン性再構成が期待された。しかしながら一部の症例(20%)にしかこれが認められなかったことは、R-S細胞がPCRの感度以下であったと言うことよりは、クローン性再構成を有する症例が少なかった可能性が高い。更にPCRとRT-PCRの結果がnon-Hodgkin Bリンパ腫では一致したが、Hodgkin病ではかなり異なった。このようにDNA,RNAレベルにおいて一部の症例にしかクローン性再構成が認められなかったことから、R-S細胞は遺伝子再構成が生じる前後の分化能を有する造血前駆細胞由来であることが示唆された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)