ラット先天性心疾患及び未熟児における刺激伝導異常の解析
Project/Area Number |
06670231
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Experimental pathology
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
池田 高良 長崎大学, 医学部, 教授 (50034624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋上 賀一 長崎大学, 医学部, 講師 (90253640)
下川 功 長崎大学, 医学部, 助教授 (70187475)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 先天性心疾患 / 未熟心 / 刺激伝導異常 / HNK-1 / アセチルコリン・エステラーゼ / 形態学的解析 / ラット |
Research Abstract |
ヒト及びラット胎生期心臓において刺激伝導系に選択的にHNK-1が発現していること、さらにアセチルコリン・エステラーゼ(ACh-E)が心房で刺激伝導系及び一部近傍に、心室では心筋全体に分布している事実(Anat Embryol,1990,1992,1994)を基礎にして、ラットの先天性心大血管奇形モデルを用いて刺激伝導系異常の解析を行った。 心大血管奇形は、ラット胎生9・10日にbis-diamine 50mg/kgを投与することによって、Fallot四微相当奇形と総動脈幹遺残を誘発した。未熟心は同物質を胎生10日のみに投与することによって誘発した。その後、胎生14・5日及び16・5日の心臓の連続切片(6μm)を作製して、HNK-1を免疫染色により、ACh-Eを酵素組織化学的方法により染色し、解析を行った。 1.Fallot四微及び総動脈幹遺残における刺激伝導系異常について 両奇形ともに類似の異常がみられた。すなわち(1)右心房における前方及び側方結節伝道路の融合、後方伝導路の下大静脈、冠静脈動周囲への伸展、(2)房室結節後方部の低形成と後方結節間伝導路との連絡の欠如、(3)後方結節間伝導路伸展部からHis束への連絡(VSDの背下方)、(4)房室結節前方部と後方部の連絡の欠如と異常伝導路の形成、(5)His束の過形成やバイパス副伝導路形成などがみられた。この様に、主として房室間伝導路に異常が起っているが、臨床的異常としては多源性不整脈、短絡路と副伝導路形成、房室間伝導の延長又はブロックとの関連性が示唆された。 2.未熟心における刺激伝導異常について (1)房室結節とHis束との連絡の欠如(遅延)(2)心房内,前-側方伝導路の融合(3)房室結節後方部の低形成がみとめられた。これらの異常は房室間伝導の延長(QT延長)や不整脈と関連しているものと思われた。今後、さらに多くの種類の奇形について実験モデルを用いて刺激伝導異常を解析する。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)