寄生生物ゲノムプロジェクト:種分化・株別変異の分子生物学
Project/Area Number |
06670253
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
寄生虫学(含医用動物学)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田中 真奈実 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (80188341)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | YACライブラリー / ゲノムマッピング / EST(Expressed sequence tag) / 疾病関連遺伝子 / 住血吸虫症 / トリパノソーマ症 / マラリア情報・治療ネットワーク |
Research Abstract |
本年は、寄生虫学にとって新世紀を開く年となった。新旧の交代は、緩やかな流れとしてではなく、たとえば、神経科学や人類遺伝学で起こった様な急激な研究の転換、研究者人口の転換として起こった。その象徴的な出来事は、1)世界規模のマラリアワクチントライアル(旧世代の最終報告)、2)寄生生物ゲノムプロジェクトの発足(新世代の登場)、として長く伝えられることであろう。本研究は、世界に先駆けて2)の発端となるもので、2年目をむかえ、さらなる充実期に入った。その進展は、1)YACライブラリーを基本とするトータルゲノムプールの完成、2)YACクローンを用いたゲノムマッピング、3)疾病関連遺伝子群の決定、4)種・株別変異の解析、と当初の予定通り進み、さらに5)世界ネットワークによる研究の拡大(グローバルリサーチネットワーク)、6)熱帯病予防・治療ネットワーク、へと拡大し、研究の応用性として考えるべき健康管理法への発展を見た。EST(expressed sequence tag)の解析により、2000種以上の構造遺伝子が決定され、その中には、1989年研究代表者が記載したレトロウイルス関連遺伝子も発見された。住血吸虫における宿主関連遺伝子配列に関しては、長い間世界的論争の的であったが、これにより、田中の報告が世界的に認知され、また、成長期別遺伝子再構成に関しては、1990年の論文のデータがrDNA遺伝子であったため、一時意見を保留していたが、今回telomiric sequence、第3染色体特異的反復配列による同現象を認め、5年間にわたる論争に終止符を打った。このような目覚ましい成果と波及効果は、ゲノムプロジェクトタイプの研究によってのみ可能になるものであり、早期に研究方法の限界を打ち破り、新しい分野として独立して進展させたことに大きな意義がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)