Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
上皮細胞間T細胞の発達分化や生体内生理的機能は未だ不明な点が多い.マウス小腸上皮細胞間T細胞(IEL)はαβT細胞(αβ-IEL;40-70%)とγδT細胞(γδ-IEL;30-60%)で構成され,パイエル板,虫垂,腸間膜リンパ節などともに生体内で内最大級の消化管リンパ装置を形成する.粘膜固有層に分布するIgA産生B細胞やIELは,パイエル板で特異抗原刺激を受け発達分化した後,全身循環を経由して局所へと帰巣することが提示されていた.本研究では全身のリンパ節やパイエル板を欠損するalyミュータントマウスの小腸を検索した結果,粘膜固有層中のIgA産生B細胞は消失するにも係わらず,IELは正常に存在することを明らかにした.この知見はIELの発達分化及び局在がパイエル板と無関係であることを提示する(J.Immunol.,153:2014,1994).次にαβ-IELあるいはγδ-IELのみを欠損するミュータントマウスの小腸粘膜を検索した結果,γδ-IEL欠損マウスにおいてのみ小腸上皮細胞の再成が減弱し,MHCクラスII抗原の発現も低下することを確認した(International Immunol.,6:1061,1994;Proc.Natl.Acad.Sci.USA in press,1995).本研究結果はγδ-IEL,すなわちγδT細胞の生体内生理的機能を提示する重要知見である.
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