Project/Area Number |
06670479
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内科学一般
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡 慎一 東京大学, 医科学研究所, 助手 (20194326)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | INH耐性結核菌 / PCR / DNA診断 / 臨床分離株 / カタラーゼ活性 / KatG遺伝子欠損 |
Research Abstract |
研究目的:エイズ患者の増加に伴い、世界的に問題になりつつある、INHを含む多剤耐性結核の、迅速診断法を開発する目的で、PCRによるINH耐性結核菌のDNA診断法の開発を行なった。 研究方法:INH耐性結核菌の耐性機序の一つは、カタラーゼ活性を規定するKatG遺伝子の欠損であることが示されている。結核菌に特異的なプライマーと、KatG遺伝子を増幅するプライマーを独自に作成し、それぞれの増幅の有無とカタラーゼ活性の相関について、本邦における11株の耐性結核菌とイエメンで分離された11株の耐性結核菌について検討した。 結果および考察:目的とした耐性機序による結核菌は、今回の解析からは結核菌PCR(+)・KatGPCR(-)・カタラーゼ活性(-)となる。検討した22株の6株(27%)はこのようなパターンを示したが、8株(36%)はKatGPCR(+)・カタラーゼ活性(-)のパターンを示し、8株(36%)はKatGPCR(+)・カタラーゼ活性(+)であった。カタラーゼ活性のみ低下している群は、KatG遺伝子の欠損ではなく遺伝子変異であることが推定され、ともに陽性の群は、INH耐性機序が全く異なっていることを示唆した。この傾向には、日本とイエメンの2国間においても差はなかった。このことから、INH耐性結核菌の耐性機序は非常に多彩であり、かつ、一機序に偏っていないことがわかった。このことは、今後INH耐性結核菌の遺伝子診断法を開発していくうえにおいては、むしろ、PCR-SSCPのような方法を検討していくべきであることが示唆された。 なお、今回の研究結果は現在投稿中である。
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