Project/Area Number |
06670552
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Gastroenterology
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
川崎 寛中 鳥取大学, 医学部, 教授 (60108826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上桝 次郎 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (10122772)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 肝硬変 / 血漿エンドセリン-1 / 尿中エンドセリン様免疫活性 / 心房性ナトリウム利尿ペプチド / レニン活性 / 血中エンドトキシン / 腹水 / 腎機能 |
Research Abstract |
肝硬変の血行動態や腎循環調節に占めるエンドセリンの病態生理学的意義について検討した。血漿エンドセリン-1(ET-1)は、慢性肝炎に比べ肝硬変および肝硬変合併肝細胞癌で明らかに上昇していること、肝硬変では有腹水症例において有意に上昇していること、さらに血漿ET-1の上昇は各種肝機能の重症度と相関することを明らかにした。血漿ET-1の上昇機序として、その代謝クリアランスの低下、あるいは血管内皮細胞からの産生亢進が考えられるが、肝硬変における上昇は後者が主因と考えられた。一方、血漿ET-1は心房性ナトリウム利尿ペプチドと有意の正の相関を示したが、血漿レニン活性、血中エンドトキシン、クレアチニンクリアランスとの間には有意な相関は得られなかった。 種々の肝疾患において尿中エンドセリン様免疫活性(endothelin-like immunoreactivity;ET-LI)を測定すると、肝硬変患者の尿中ET-LIは明らかに上昇していた。このような尿中ET-LI増加が糸球体濾過値と有意な正の相関を示したこと、さらにET-LI・クリアランス/クレアチニン・クリアランス比が10%以下であった結果より、糸球体で濾過されたエンドセリンの約90%は尿細管で再吸収され、しかも尿細管からの明らかな産生亢進はなく、尿中ET-LIは糸球体濾過値依存であることが示唆された。また、尿中ナトリウム排泄分画と尿中ET-LIとの間に有意な相関関係が認められなかったが、血漿エンドセリン値との間には有意な正の相関が認められたことより、腎尿細管において、エンドセリンは管腔側からではなく、血行性に基底膜に作用して尿細管細胞機能に影響を及ぼしているものと考えられた。 現在次の研究として、腹水を有する肝硬変患者にループ利尿剤、プロスタグラジン、トロンボキサンA_2合成酵素阻害剤などを投与して、血漿ET-1および尿中ET-LIの変動を観察中である。
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