分子進化学的手法によるC型肝炎ウイルスの遺伝子分類とその臨床応用
Project/Area Number |
06670571
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Gastroenterology
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
溝上 雅史 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (40166038)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
【目的】C型肝炎ウイルス(HCV)の分類は各種存在し現在混乱状態にある。そこで、HCVの遺伝子の変異度を利用して分子系統樹を作製し、分子系統樹からHCVの分類を試みた。 【対象と方法】5′non-coding(5′UTR),core,E1,NS5領域の分子系統樹をneighborjoining法で作成した。解析に使用したHCV株は計658株である。各領域のtypeとsubtypeを明確にするため、各領域毎にtype内とsubtype内の変異度を計算し、その平均(M)と標準偏差(SD)を算出し、M+2SD以内をsubtypeとし、それ以上をtypeとした。 【結果】作成された系統樹から、core領域では6つのtypeとと32のsubtype、E1領域では6つのtypeと27のsubtypc、NS5領域では6つのtypeと30のsubtypeに分類された。5′UTR領域の系統樹では、type1とtype6の株がclusteringし両者を分類できず、また、type4も完全に2つの分類された。これらの系統樹からHCVは6つのtypeの少なくとも37のsubtypeに分類された。また、core,E1,NS5各領域のtypeとsubtypeの変異度のM±2SDはどの領域でもoverlapするためにtypeとsubtypeを明確に分類することはできなかった。 【考案】core,E1,NS5領域ではHCVは、6つのtypeと37のsubtypeに分けられたが、5′UTR領域ではtypeすら分類出来なかった。さらに、分子系統樹上でclusteringしている株でも、特にtype3,4,6に含まれるHCV株の変異度は、既知のsubtypeの変異度より大きった。このことは、現在使用されている分類法ではtypeとsubtypeを明確に区別することが出来ないことを意味している。さらに、このことは新たに分離したHCV株の分類する際に混乱を生ずることを意味し、今後早急に新しい分類が必要であると思われた。 【結語】HCVの分類は、今後臨床的な側面も考慮した新たな分類が必要であると思われた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)