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¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
1.(1)血清コリンエステラーゼ(ChE)に対するモノクロナル抗体(MoAb)を新たに作成し、これとAleuria aurant ia lectin(AAL)を組み合わせてChEのLectin-MoAb測定系を開発した。AALはfucose(Fucα1→2,Fucα1→3,Fucα1→4,Fucα1→6)と特異的に結合することが知られている。従って本測定系では、fucoseの増加したChE分子を測定することを意味する。本測定系を用いて慢性肝炎(CH)29例,肝硬変(LC)31例,肝癌(HCC)28例,健常者(NC)13人についてAAL-reactive ChE分画を調べた。NCのMean+3SDをcut-off値とすると、CH17.2%,LC77.4%,HCC71.4%がcut-off値以上を示し、この測定系を用いれば、CHとLC,又はHCCとを鑑別出来ることが明らかになった。この成績は同時に血清ChEはLC,HCCで高率に糖鎖変化が生じていることを示唆している(投稿準備中)。 (2)AAL-reactive ChE分画がLCやHCCの血中で増加していたので、次に肝組織での糖鎖の発現につきAALを用いて検討した。AALではCH,LC,HCCいずれも類洞内皮、胆管上皮、結合組織で陽性を示したが、LC,慢性活動性肝炎(CAH)で各々80%(8/10),40%(4/10)の症例が肝細胞膜に陽性を示したが、NC,慢性非活動性肝炎(CIH),HCCでは全例陰性であった。この成績は、fucoseの発現はCAHからLCにかけて増強し、LCからHCCになるにつれて、かえって発現が弱まることを示している。その意義については今後検討していく必要がある。 2.α(1→3)-L-fucosyltransferase(α1,3FT)は慢性肝疾患患者血中ではHCCで有意に増加を示すが、HCCを治療しても本酵素活性は有意には低下しない。そこで肝癌組織でα1,3FT活性を検討してみると、肝癌組織より周辺肝硬変組織での活性が高く、血中と組織中での活性が逆関係であることが明らかになった(投稿中)。この説明の今の所困難だが、肝発癌との関係からさらに検討中である。
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