Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Research Abstract |
日常環境や作業環境における疾病の原因となりうる粉塵暴露の生体における影響を探る目的で、肺胞に吸入された微粒子に対する肺胞マクロファージの動向のみならず、好中球遊走因子によって動員された好中球との相互作用に関しても研究する予定を組んだ。まず吸入粒子としては以前に用いなかった異なる粒子径の非刺激性の粒子も加えて検討した。 実験動物としてウイスター系ラットを用い、気管支肺胞洗浄法により肺胞マクロファージを採取し、洗浄後に37℃で試験官中で振盪下に微粒子と90分間接触させた。反応終了後に上清中のLTB4とLDHを測定した。LTB4は高速液体クロマトグラフィーで測定した。微粒子としてはシリカ(粒子径3.0μm)とlatex beads(粒子径0.5,1.0,3.0μm)を、それぞれ0.5,1.0,2.0mg/mlの濃度で用いた。 その結果、濃度1.0mg/mlでのLTB4の産生量は、対照、シリカ、latex beads(0.5,1.0,3.0μm)でそれぞれ8.8±1.6,24±1.9,31±2.2,37±3.8,20±2.1ng/2×10^6cell(mean±SD)であった。同様に濃度1.0mg/mlでのLDHの放出量は、対照、シリカ、latex beads(0.5,1.0,3.0μm)でそれぞれ7.3±0.94,55±4.2,6.3±2.9,29±4.5,39±8.6IU/l/2×10^6cell(mean±SD)であった。本研究から非刺激性の粒子であっても末梢肺に到達すればマクロファージの活性化を介して急性あるいは慢性の肺傷害を惹起する可能性が示唆された。この結果から日常生活環境下の粉塵暴露でもびまん性肺疾患の原因となりえる可能性が示唆された。好中球との相互作用については、今年度では十分な成果が上げられなかった。
|