筋萎縮性側索硬化症における脊髄前角細胞の樹状突起のシナプスの変化について
Project/Area Number |
06670674
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurology
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
佐々木 彰一 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (40119962)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / 脊髄前角細胞 / 樹状突起 / シナプス / active zone / 超微細構造 |
Research Abstract |
腰髄前角細胞が比較的よく残存していた筋萎縮性側索硬化症(ALS)7例、およびage-matchさせた神経疾患が認められない対照7例を用いて、正常と思われる腰髄前角細胞から直接突出している樹状突起近位部におけるシナプスの変化を電顕で検索した。剖検は、いずれも死後6時間以内に行われた。剖検時、各症例の腰髄下部(L4-5)を水平断で切り出し、2%グルタールアルデハイドで固定、型の如く処理した後、エポンで包埋した。厚さ約1μmの薄切切片にトルイジンブルー染色を施して光顕で観察し、前角細胞から直接出ているできるだけ長い樹状突起を確認した後、超薄切片を作成し、酢酸ウラニウムとクエン酸鉛の二重染色を施して電顕で観察した。ALSでは、電顕上、電子密度の高いシナプス小胞やミトコンドリアの集積および平野小体に類似した構造物などの変性過程を示唆する変化が、対照に比較して有意に多く認められた。また、正常と思われる前角細胞の面積はALS症例では対照例に比較して有意に小さかったが、樹状突起の面積、樹状突起近位部に見られるシナプスの数、個々のシナプスの長さおよびactive zoneの長さは、両者間で差が認められなかった。これらの所見は、ALSの病初期では電顕上樹状突起近位部のシナプスに軽度の質的変化が認められるものの、同部位ではシナプスが比較的よく保存されていることを示している。樹状突起近位部におけるシナプスの保存は、変性過程に対する同部位の抵抗性によるものか、あるいは樹状突起末梢部でのシナプスの減少やシナプスの機能不全に対する近位部シナプスの代償機転によるものと思われる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)