血管組織における副甲状腺ホルモン関連ペプチドの発現-動脈硬化の発症、進展におけるその意義
Project/Area Number |
06670696
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大内 尉義 東京大学, 医学部(病), 講師 (80168864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神崎 恒一 東京大学, 医学部(病), 医員
井上 聡 東京大学, 医学部(病), 助手 (40251251)
秋下 雅弘 東京大学, 医学部(病), 助手
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 副甲状腺ホルモン関連ペプチド / 動脈硬化 / 細胞内Ca^<++>濃度 / 血管平滑筋細胞 |
Research Abstract |
1.目的:副甲状腺ホルモン関連ペプチド(PTHrP)の血管組織、特に動脈硬化巣における発現とその病態生理学的意義を明らかにする。2.方法:(1)ラット大動脈ラセン条片にFura-2を負荷し、平滑筋細胞内Ca^<++>濃度([Ca^<++>]i)と張力を同時測定しphenylephrine(PE)存在下でPTHrPの効果を検討した。(2)剖検および冠動脈硬化剔出術により得られたヒト冠動脈硬化巣、ラットにおける実験的内膜肥厚におけるPTHrPの発現を特異抗体を用いた免疫染色により検討した。(3)ラット大動脈由来培養培養平滑筋細胞(VSMC)の増殖、遊走に対するPTHrPの作用を検討した。(4)ラット大腿動脈周囲にポリエチレンカフを装着することにより惹起される内膜肥厚に対して、PTHrPおよびPTHrP受容体拮抗物質であるPTHrP(7-34)をpluronic gelを用いて局所投与した時の効果がどのようであるかを検討した。3.結果:(1)PTHrPの累積投与はPEによる収縮を濃度依存性に抑制し平滑筋[Ca^<++>]iを低下させた。この作用はA-kinase阻害薬であるRpcAMPSにより抑制された。(2)ヒト冠動脈硬化巣、実験的内膜肥厚においてPTHrPの強い発現が認められた。(3)PTHrPはVSMCの増殖、遊走を用量依存的に抑制した。さらに血清、血小板由来成長因子刺激下のVSMCの増殖、遊走はPTHrP(7-34)により亢進した。(5)ポリエチレンカフの装着は血管内膜の肥厚を惹起したが、PTHrPはこれを抑制、PTHrP(7-34)は亢進させた。4.結論:PTHrPは強力な血管弛緩作用、VSMCの増殖、遊走抑制作用を有し、これはcAMPの産生とこれに伴う血管平滑筋細胞内[Ca^<++>]iの低下によるものである。PTHrPはヒトおよび実験的動脈硬化巣で強く発現しているが、PTHrPは実験的内膜肥厚を抑制、PTHrP(7-34)は亢進させた。このことより、PTHrPは動脈硬化の発症、進展の抑制因子としてautocrine/paracrine的に局所で作動していると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)