機械的伸展負荷によって生じる心肥大の発生機序の解明とそれに基づいた治療薬の開発
Project/Area Number |
06670697
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山崎 力 東京大学, 医学部(病), 助手 (60251245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小室 一成 東京大学, 医学部(病), 助手 (30260483)
広井 透雄 東京大学, 医学部(病), 医員
塩島 一朗 東京大学, 医学部(病), 医員
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | アンジオテンシンII / 細胞内情報伝達 / TCV-116 / MAPキナーゼ / 心肥大 / 伸展負荷 |
Research Abstract |
13週齢自然発症高血圧ラット(SHR)に1型アンジオテンシンII(AngII)受容体拮抗薬TCV-116あるいはHydralazine,Nifedipineを連続経口投与した。4、8、12週の心室重量、心筋細胞横径を測定し、心エコー法を用いて左室壁厚を経時的に測定した。また、ミオシン重鎖アイソフォーム(MHC)、心筋間質コラーゲン量を解析した。一方、10^<-6>MのSaralasinまたはTCV-116の活性体CV11974で前処置した培養心筋細胞を伸展し、MAPkinase活性、c-fosの発現、phenylalanineの取り込み能を測定した。さらに、伸展負荷を加えた心筋細胞の培養上清で新たに心筋細胞を培養し、MAPkinase活性を解析した。その結果、SHRへのTCV-116の投与で、左室重量、心筋細胞横径、左室壁厚の増加が抑制され、MHCのV1からV3への変換と心筋間質線維化が抑えられた。Hydralazine,Nifedipineにはこのような心室リモデリング抑制作用は認められなかった。また、培養心筋細胞をSaralasin、CV11974で前処置した後伸展刺激を加えると、伸展負荷によるMAPkinaseの活性化、c-fosの発現、phenylalanineの取り込みの亢進が約70%抑制された。また、伸展負荷を加えた心筋細胞の培養上清を別の培養心筋細胞に加えると、MAPkinaseの一過性の活性上昇がもたらされたが、その上昇は、Saralasin、CV11974のいずれかを培養液に添加すると完全に消失した。以上、TCV-116のみが、SHRの心肥大を退縮させ、心室リモデリングを予防したことから、1型受容体を介して作用する内因性AngIIが高血圧性心肥大および心室リモデリングを形成し、その作用をブロックする薬剤が心肥大および心室リモデリングを抑制する新しい治療法となると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)