異常状況下でのI_K電流ブロッカーの頻度依存性効果
Project/Area Number |
06670698
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
沢登 徹 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (00014217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 裕司 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (00181181)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | I_K電流遮断薬 / 遅延整流K電流 / 逆頻度依存性 / 活動電位持続時間 / アチドーシス |
Research Abstract |
致死性不整脈の治療薬として最も注目をあびているクラスIII群の頻度依存性効果を調べた。0.2HZ刺激下では新しいIII群薬セマチライドは静止電位,立ち上がり速度に影響を与えることなく,活動電位持続時間(APD)を10μMでは28%,30μMでは55%,100μMでは74%と濃度依存性に延長した。2.5Hz刺激に変えたとき、30μMではAPDは10%前後の延長効果にとどまり、本剤がAPDに対して逆頻度依存性をしめした。本剤はI_K電流を10mVより脱分極側でI_K電流を40-60%抑制し、そのI_K電流の抑制は長いパルスより短いパルスで強く、主として速く活性化するI_<Kr>を抑え、遅く活性化するI_<KS>への影響は少ない。その際、Ca電流I_<K1>電流には影響はなかった。頻拍時には興奮終了から次の興奮迄の拡張期間隔は短いので本剤の結合の状態依存性を調べた。I_Kを充分活性化後、種々の拡張期間隔でパルスを与えると、本剤存在下では拡張期間隔の延長に伴いI_Kは強く抑制され、静止状態に強い親和性を示した。頻拍時に活性化する電流の一つに一過性外向き電流時にカフェイン感受性電流が知られており、頻拍時のAPD短縮に寄与している。そこで2.5Hz,150拍のパルスを与え、その最終拍のカフェイン感受性電流に対する本剤の効果をみた。薬剤投与前後で差は認められなかった。以上よりAPD延長効果が本剤に抵抗性のI_<KS>が頻拍時に活性化すること、静止状態への薬剤の親和性、カフェイン感受性一過性外向き電流への無効なことなどが寄与することがわかった。頻拍性不整脈中に本剤の投与が有効であるので、異常環境下の頻拍時の本剤の効果を調べた。pKaは7.6なので、pH6.8,pH7.4,pH7.8でのAPD延長効果をみた。0.2Hz刺激下で30μMはpH6.8で13%/n=30)pH7.4で21%(n=18),pH7.8で34%(n=10)の延長効果を示したが、各群間には有意差はなかった。0.2Hzより2.5Hzに刺激を与えたときのAPD短縮率はpH7.4で25%,pH6.8で23%に対して、薬剤存在下では20%,と13%と酸性側で薬剤のAPD延長効果が増強した。すなわち異常下では薬剤の効果が異なることがわかった。しかし虚血類似条件下や他のIII群薬の効果を検討するには至らなかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)