延髄腹外側野の代謝調節型グルタミン酸受容体の高血圧における役割
Project/Area Number |
06670740
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
|
Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
土橋 卓也 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (30163827)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Keywords | 高血圧自然発症ラット / 興奮性アミノ酸 / 延髄 / 交感神経 / 血圧 |
Research Abstract |
【目的】循環調節に重要な役割を演じている延髄腹外側野(ventrolateral medulla;VLM)において代謝調節型グルタミン酸受容体が高血圧の維持に関しているか否かを、遺伝的高血圧ラットを用いて検討した。 【方法】実験には、13-18週齢の自然発症高血圧ラット(spontaenously hypertensive rat;SHR,n=19)および正常血圧のWistar-Kyotoラット(WKY,n=23)を用いた。ウレタン麻酔下に延髄腹側面を露出してVLMに多管微小ピペットを刺入、L-グルタミン酸(L-Glu,2nmol/50nl)、イオン調節型グルタミン酸受容体アゴニスト(NMDA20pmol,AMPA5pmol)、代謝調節型グルタミン酸受容体アゴニスト((1S,3R)-ACPD,0.1または1nmol)を微量注入し、血圧(MAP)、心拍数(HR)、腹部交感神経活動(SNA)を記録した。 【結果】1.基礎血圧および心拍数は、SHRにおいて各々115±2(SE)mmHg、410±6beats/minとWKY(各々85±2mmHg、357±8beats/min)に比し、有意(p<0.001)に高値であった。 2.L-Glu注入による昇圧とSNAの増加はSHRがWKYに比し、大であった(ΔMAP:55±3vs.31±1mmHg,p<0.001;ΔSNA:79±13vs.45±6%,p<0.05)。 3.同様にNMDAおよびAMPAによる昇圧とSNAの増加もSHRで大であった。 4.(1S,3R)-ACPDによりSHR、WKYともに用量依存性に昇圧とSNAの増加を認めたが、その程度はSHRで大であった(1nmolによる△MAP:41±6vs.18±3mmHg,p<0.005;ΔSNA:34±4vs.22±3%,p<0.05)。 【結論】SHRでは、VLMにおけるイオン調節型および代謝調節型アミノ酸受容体刺激に対する反応性が亢進しており、このことが高血圧の発症維持に関与している可能性が示唆された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)