動脈硬化発生進展機序の解明に関する研究-新しい血管平滑筋細胞遊走因子の精製-
Project/Area Number |
06670756
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
|
Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
斉藤 能彦 国立循環器病センター研究所, 病因部, 室長 (30250260)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南野 直人 国立循環器病センター研究所, 薬理部, 室長 (50124839)
宮本 薫 国立循環器病センター研究所, バイオサイエンス部, 室長 (30125877)
松尾 寿之 国立循環器病センター研究所, 所長 (50028685)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | 動脈硬化 / 血管平滑筋細胞 / 遊走活性 |
Research Abstract |
動脈硬化発症進展の機序は血管内皮の傷害説が有力であるが、これは血管内皮の傷害(機能障害)が引き金となり単球、好中球、平滑筋細胞の内膜へ遊走、これら細胞のその場で増殖、泡沫化と一連の変化を経て動脈硬化病変へ進展するというものである。平滑筋細胞の遊走には、近年まで主として血小板由来増殖因子(PDGF)が関与していると考えられてきたが、内皮細胞培養上清中の平滑筋細胞遊走活性はPDGF抗体を用いても完全には中和できないとの報告が多かった。そこで我々は一昨年より内皮細胞培養上清中より平滑筋細胞遊走因子を検索を試み、PDGF以外にも強力な平滑筋細胞遊走活性の存在することを確認していた。 本年度は、約70リットルの血管内皮細胞培養上清を出発材料として新規の目的蛋白質の精製に成功した。精製の方法は、まず培養上清を15から20リットルごとにヘパリンセファロースカラムに吸着させ2MNaClで一期に溶出し保存する。このようなロット4回分をまとめて、キレ-ティングセファロース、ブルーセルロファイン、さらに2度目のヘパリンカラムを組み合わせSDS-PAGEで単一バンドに精製された。この蛋白質は分子量22000で、ヘパリンに結合し0.7MのNaClで溶出される。最終精製物をアミノ末端から15残基配列を決定しSWISSPRT蛋白質データーバンクで検索すると、既知の蛋白質と有意の相同性のあるものはなく新規の蛋白質であると確認された。またこの蛋白質の平滑筋細胞遊走活性はPDGFとほぼ同等かそれ以上であり、現在まで知られている平滑筋細胞遊走能を有する分子で最も強力はものの一つといえる。今後はこの物質の全構造を明らかにし動脈硬化発症進展の機序を明らかにしていきたい。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)