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¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
ランゲルハンス細胞は強力な抗原提供細胞で、皮膚免疫・アレルギーの病態形成に重要な役割をはたすことが知られている。一方、炎症の形成に関与する各種のサイトカインの役割も大きくクローズアップされている。しかしながらランゲルハンス細胞がどのようなサイトカインで、どの程度、どのような影響を受けるのかについてはほとんど知られていない。我々はマウス表皮よりランゲルハンス細胞を含む表皮浮遊細胞を得、Th1サイトカイン(IL-2,IFN-γ),Th2サイトカイン(IL-4,IL-5,IL-6,IL-10)、またその他表皮細胞が産生しうるサイトカイン(TNF-α,IL-1α,IL-1β,IL-3,IL-7,GM-CSF)の存在下で培養し、ランゲルハンス細胞の抗原提供能に重要な意味をもつMHCdass II分子、MHCdassI分子、ICAM-1,B7-1の発現に対する影響をflow cytametryを用いて検討した。その結果、各分子は種々のサイトカインによってかなり選択的に調節されていることが判明した。1)MHCdassII分子の発現にはどのサイトカインも影響を与えない。2)MHCdassI分子の発現は、IFN-γによって強く、IL-4によって中等度に亢進される。その発現を抑制するサイトカインはなかった。3)ICAM-1の発現は、TNF-αによって強く亢進され、ついでGM-CSF,IL-1α,IL-1βによっても亢進作用がみられた。IL-10は常に濃度異存的にその発現を抑制した。4)B7-1の発現は、GM-CSFによって強く亢進され、ついでTNF-α,IL-1α,IL-1βにも亢進作用がみられた。IL-10とIFN-γはその発現を強く抑制した。これらの実験結果は、ランゲルハンス細胞の抗原提供能がGM-CSFによって増強され、IL-10によって抑制されるという従来の実験結果とある程度合致し、興味深いものであった。今後、他の接着分子への影響を観察することでランゲルハンス細胞の免疫生物学的理解が大きく進むと思われる。
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